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講談社選書メチエ
読むことの力―東大駒場連続講義

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  • サイズ B6判/ページ数 290p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062582933
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C0390

目次

第1章 読むことから(生み出される表現の力;「読む」「聴く」そして「時間」 ほか)
第2章 他者の心を「読み解く」(翻訳者は「作者代理」か「読者代表」か;ダイモーンの声を聞く―哲学書を読む ほか)
第3章 断片のロジック(奇跡物語の「心」;中世の遺言が言い残したこと―コンスタンツ市民の遺言を例にして)
第4章 歴史的リアリティーとしての読むこと(記紀を読むことのリアリティー;隠者の読書、あるいは田園の宇宙)
第5章 読み巧者の優美なる視線(読むことの苦楽―「美人図」詩とその周囲をめぐって;春本のエクリチュアー ほか)

著者等紹介

キャンベル,ロバート[キャンベル,ロバート][Campbell,Robert]
1957年ニューヨーク生まれ。ハーバード大学大学院東アジア言語文化学科修士課程修了。文学博士。現在、東京大学大学院総合文化研究科助教授。専攻は近世から明治にかけての日本文学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

39
キャンベル氏:他者の心といえば、日本には心相があった。心模様(6頁~)。林望氏:読書にかける時間が短すぎる。音読の形で、ゆっくりと読め(36頁)。柴田元幸氏:文化と文化の交流、相互影響、衝突、といった関係が重視されるようになっている。文化、学問の越境が肯定。文化交流を可能にする翻訳が創造的行為として見られるようになった(62頁~)。2016/12/24

takeapple

12
東大教養学部では読むことをどのように捉えているのか、読書好きとしては見逃すわけにはいかない本であった。声に出して読むこと、本の装幀、古典から春本、写真集、詩、色々な本があり、色々な読み方へ誘ってくれる。参考文献もここでも充実。実際の講義がどんな展開で、どんな課題や試験問題が出されたのかも興味深い。2015/05/20

あきあかね

7
 講義録というものは、その時の教室の息づかいや一体感などをそっくり閉じ込めたタイムカプセルのように思える。  翻訳者の柴田元幸、哲学者の野矢茂樹、近世日本文学者のロバート・キャンベルなど、豪華な布陣によるオムニバス講義。  翻訳者は「作者代理」か「読者代表」かという問いに、豊富かつ軽妙な翻訳例から答えにたどり着こうとする講義、ドアノーの「市庁舎前のキス」というスタイリッシュなパリ写真から、写真を読むという行為を考える講義など、様々な切り口から「読む」という人間の営みの愉しみ、意味を考える。⇒2018/12/18

田中峰和

5
12人の講義すべて読むのが大儀なので、まず興味深いタイトル「翻訳者は『作者代理』か『読者代表』か」を読んでみる。翻訳家の柴田元幸氏は読者代表として訳しているとのこと。英語で韻を踏む表現をいかに日本語でも韻を踏んだ自然な言葉にするか。英語では自然な定型であっても日本語では人工的で不自然な言い回しになる。翻訳は英文解釈ではないのだから、逐語訳ではなく誤訳によって読者にニュアンスを掴ませる。とくに話者のトーンの重要度は日本語より英語の方が数倍強い。ライ麦畑で捕まえての主人公を中年男性の声で表現してはならない。2021/06/19

ドクターまほ

1
読むにもいろいろある。 文字だけでなく、絵も読む。書物の背景も読む。 耳で読む。 そして、自分の読むという行為の狭さを知る。2023/09/20

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