講談社選書メチエ<br> 愛と経済のロゴス―カイエ・ソバージュ〈3〉

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講談社選書メチエ
愛と経済のロゴス―カイエ・ソバージュ〈3〉

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  • サイズ B6判/ページ数 218p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062582605
  • NDC分類 330.4
  • Cコード C0310

目次

序章 全体性の運動としての「愛」と「経済」
第1章 交換と贈与
第2章 純粋贈与する神
第3章 増殖の秘密
第4章 埋蔵金から聖杯へ
第5章 最後のコルヌコピア
第6章 マルクスの悦楽
第7章 聖霊と資本
終章 荒廃国からの脱出

著者等紹介

中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950年、山梨県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、中央大学教授。宗教学者、思想家。著書に、『チベットのモーツァルト』(せりか書房、サントリー学芸賞)、『森のバロック』(せりか書房、読売文学賞)、『哲学の東北』(青土社、斎藤緑雨賞)、『フィロソフィア・ヤポニカ』(集英社、伊藤整文学賞)など多数ある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

デビっちん

21
再読。経済は循環だと思っていましたが、それだけではなくて、そこに垂直に介入するベクトルと一体となって、より大きな全体運動をしているものという説明に心をうたれました。あと、交換が古典力学的なもので、贈与が量子力学的な解説も興味深く感じました。このシリーズ、もう一度全部読んでみたくなっちゃいました。2018/11/08

14
贈与と純粋贈与の原理から交換がうまれ、それが発展し経済となった。そこには他者を想う愛があったが、いつしか交換・経済が支配するようになり贈与・愛が失われている、、、 経済という言葉は元々ギリシア語で召使いや執事という意味をもっていたそうな。とりあえず農業に携わって大地の恵みを味わうことにするか。2014/12/16

しろ

12
☆7 贈与と交換の違い、なんでもかんでも経済的合理性に当てはめることの危険性を説いていて、興味深かった。贈与と交換と純粋贈与はそれぞれ密接で、全体が連動していることをとらえないといけない。そして、人間の活動はほとんどどれかに当てはまる。それがどれなのか、分からないと本質を失う。贈与には愛や信頼も付加しているというのには納得だし、資本主義はそれらを排するのも得心する。純粋贈与(自然)なしには増加、進歩はあり得ないというのもなるほどと。全編がそれらの論の補強のため、退屈さもあるが、考えは面白かった。2011/11/22

デビっちん

10
1見合理性の塊に見える経済活動も、その裏側では感情がからむ1つの「全体性」を備えた現象でもあります。その全体性の深層の部分では、愛とか神、宗教が発達した原理と同じであることが本書を読むとわかります。「交換・贈与・純粋贈与」の3つの指標の組み合わせから、経済活動の全体性が理解できます。等価交換の認識が強い経済活動も、その枠を広げて考えていくと、贈与と純粋贈与という2つの原理と結びあった全体性をもった運動であることがわかりました。3位一体の図式を使って、見えてくるモノは?そしてそれは経済とか愛に繋がっている?2016/05/05

まろすけ

9
なんかもう、凄すぎて深すぎて、色気のある表現も良くて。心の師と呼びたい思想家の一人です。⚫中間的対象。幼児の大便執着など。人格と未分離の中間的対象を相手に届けることで愛や信頼が届けられることを贈与では期待する⚫交換では、モノと人格の分離が徹底的に行われる『去勢』⚫交換は贈与の中から発生。これはことばの詩的機能が最初に人間の脳に生まれ、その詩的機能を平準化・合理化することで通常の話し言葉がつくられてきた過程とそっくり⚫貨幣によって富が表現され、計算され、保持されると、純粋贈与というリアルは殺され見えなくなる2018/10/26

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