講談社選書メチエ
イスラームのロジック―アッラーフから原理主義まで

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062582292
  • NDC分類 302.28
  • Cコード C0314

内容説明

「最終・至高」の一神教イスラーム。慈愛の神アッラーフへ絶対帰依し、アッラーフの誹謗者とは戦いも辞さない。世界一五億の民を動かす「論理」とは何か。西欧のドグマを拒否し、イスラームの立場から見た「世界」に迫る、ラディカルな批判の書。

目次

第1章 イスラームと現代社会
第2章 日本とイスラーム
第3章 アッラーフ
第4章 預言者ムハンマド
第5章 ウンマ(イスラーム共同体)の歴史

著者等紹介

中田考[ナカタコウ]
1960年生まれ。東京大学文学部イスラム学科卒業。同人文科学研究科宗教学・宗教史学修士課程修了。カイロ大学文学部哲学科博士課程修了(ph.D.)。在サウディアラビア日本国大使館専門調査員等を経て、現在、山口大学教育学部助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あさって

3
書店に在庫無く、図書館で借りてきました。ツイッターのムスリムの方からお勧めしていただき読みました。本人もムスリムの学者の方が書いた本です。ときどき、リツイートを拝見します。 どんなに素晴らしい本でも、読むのに知識がないと、解釈に差がでますね。一神教の天使の名前が分からず、混乱することに。逸脱を避け教義に忠実に生活を営む気高さ美しさは少しだけわかった気も。シーア派とスンナ派の違いははっきりした気がします。カリフを中心とした広大なイスラーム国家が生まれるなら世界のパワーバランスは大きく変わるかもしれません。2013/10/13

amanon

2
中沢新一が度々言及している世界の非対称性を本書で改めて痛感。西欧にとってイスラム圏がどれだけ厄介でありながら、しかもその一方で持ちつ持たれつという複雑な関係にあるかということを本書で垣間見た気がする。本書で言及されているとおり、日本とイスラムとの間には埋めがたい溝はあるが、その溝とは一体何なのか?と問うことから始めなければならないという重い現実を本書によって知ることができる。また、一般に日本人に理解し辛いと思われるイスラム教が意外に理解しやすい側面もあるという指摘が興味深かった。イスラム理解に有効な一冊。2015/02/24

nightU。U*)。o○O

1
まず「イスラームの側に立って」などのような安直な言葉を用いず、現代の日本人の認識が先進国ゆえのそれであること、欧米ナイズされた史観を植え付けられ世界の貧困、闇の量産に加担していることを厳しく説いたうえで(アメリカに対しては痛快なほど)、相互の理解より地平の融合を、から始める、真に教科書的な本。ただ現状理解以降の章はイスラームというよりイスラーム教の丁寧な解き明かしになっており、もう少し風土や生活の在り方に目が配られていれば、いきなり現代へ飛躍したような錯覚もなかったと思う。2016/10/21

Yasomi Mori

1
《20世紀は唯物論の世紀として幕を開け、宗教復興によって幕を閉じた》。ソ連崩壊を、共産主義陣営に対する自由主義・民主主義陣営の勝利と捉えるのはあくまで西欧的な視線にすぎず、イスラームの立場からは無神論勢力(米ソ)の一角が崩れた、という見方になる、との視点は新鮮でした。二度の大戦を引き起こしたのは「政教分離」の国家によるものであったこと、そもそも「政教分離」とは政治と宗教の分離ではなく、国家と教会の分離にすぎず、西欧・アメリカの政治が宗教と無関係であるとみなすのは間違いであること、等々の西欧批判も重要。2015/03/06

牛タン

1
「イスラームを理解しようとする我々自身を反省に付す」ためにまず一章、二章で現代世界の分析がなされる。しかし一章は分析というより西欧社会の批判に終始しており、二章でも日本とイスラームの関わりがごく簡単に触れられているだけで、結果として以下の三章~五章の理解になんら影響を及ぼさないと思う。また一章、二章はところどころで論理の飛躍が見られる。一方、三章ではイスラーム神学に触れながらアッラーフとは何かという問題が議論されており勉強になった。五章ではカリフ、イマームについて類書よりもつっこんだ解説がされている。2014/12/25

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