内容説明
異文化とは何か。異文化は我々に何をつきつけるのか。お風呂、結婚、修行、墓場、そして粉争…。差異を楽しみ、類似に驚きながら「異なるもの」と遭遇してきた著名人二一人が語る異文化・自文化の本質。
目次
1 異文化を楽しむ(お風呂は異文化を体感させてくれる)
2 アジア・アフリカを感じる(エロティシズムとしての韓国;中国屋の中国体験 ほか)
3 ヨーロッパを知る(永遠の往復運動―「こんなにも違う!」と「こんなにもわかる!」の間で;どうぞ、お先に ほか)
4 アメリカ大陸を駆ける(「そばナポリタン」の禅;アメリカという異文化・日本という異文化 ほか)
5 異文化が照らす自文化(『源氏物語』からはじまった;異文化に向かう姿勢 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あきあかね
27
21名の21通りの異文化との出会いの記録。世界各地のエピソードも興味深いが、異文化体験を踏まえた、異文化に接する姿勢が印象に残った。スラブ文学者の沼野充義は異文化の理解を、「こんなにも違うんだ!」という驚きと、それにも関わらず「こんなにも理解できる!」という喜びの間で続けられる、永遠の往復運動であると言う。 このように他者の異質性に対して開かれた姿勢で臨み、自己の文化を絶対視せずに相対化し、互いに尊重しあう視点。それを会得することは、同じ文化の中の様々な背景を持つ他者と接する上でも大いに役立つだろう。2020/09/19
サアベドラ
10
異文化に関するエッセイ集。執筆者は学者や作家などで、自らの異文化体験や異文化に対する考えを綴った短いエッセイ(だいたい10ページから20ページほど)が21本収録されている。星野知子、阿辻哲次、宮元啓一、杉田英明、沼野充義、千野栄一、南直哉、柴田佳子のは楽しめた。2014/07/06
relaxopenenjoy
5
図書館返却棚で見つけて。21人による異文化論。日銀からキルギスへ派遣された田中さん、中東アラブ世界の杉田先生、アメリカの禅道場の経験がある曹洞宗住職、スラブ文学の大御所沼野さんの話、林望先生の「己の足で歩き、己の目で見よ」はスっと入るし、千野さん(曰く、チェコには鳥の名起源の名字が多い)も。なかなか面白かった。2022/06/03
Hiroki Nishizumi
4
表題通り面白い。センスオブワンダーだ。でも最終章は不要だね。2018/10/24
両
0
図書館でたまたま出会った本。すこし人選に偏りがあるが、結構面白い。ただし、最後の自文化の章をのぞきます。ここは、日本人の書き手のものは不要だったのではないか。2012/10/18