講談社選書メチエ
源氏物語=性の迷宮へ

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062582179
  • NDC分類 913.36
  • Cコード C0393

内容説明

絢爛たる光源氏の物語を終えた後に、なぜ「続篇」宇治十帖が必要とされたのか。「性」の物語として読むとき、物語の隠された欲望が明らかになる。人形愛・死体愛・マゾヒズム―「宇治」を持つことにより、『源氏』は異形の物語へと変貌する。古典文学の金字塔をラディカルに読み変える、『源氏物語』のポストモダン。

目次

序章 薫/匂宮―差異への欲望
第1章 光源氏の物語から宇治十帖へ
第2章 薫と大君―不能的愛の快楽
第3章 さかしまの主人公―浮舟登場
第4章 光源氏時代への挽歌―匂宮三帖論
第5章 社会の欲望媒介装置=浮舟―交換される欲望
第6章 “情報”としての浮舟―欲望の沸騰点

著者等紹介

神田龍身[カンダタツミ]
1952年、山梨県生まれ。学習院大学文学部教授。専門は、中古・中世文学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りょく

2
「物語の終わり方」について論じた本年度後期の教科書。『源氏物語』正篇に対して、宇治十帖は秩序なき周縁の世界であり、浮舟はあらゆる人物の欲望の対象となる「さかしまの主人公」であることを結論づける。薫・匂宮と大君・中君は、ジラール的にいえば模倣と差異化の欲望のためにお互いがお互いを利用しあっていた。それが大君の死→浮舟の登場によって、薫と匂宮は均質化していく。(以下コメントへ)2021/12/29

そーだ

2
『源氏物語』第三部について詳しい。第三部は続編とも蔑称され、特に正編(第一部・第二部)と「宇治十帖」との間にある「匂宮」「紅梅」「竹河」(匂宮三帖)は、これまでの評価が低く作者別人説まであるが、著者はこの三帖に積極的な意味を与えている。また、宇治三姉妹を巡って、薫と匂宮が互いの欲望を煽りあっていること、「手習」において浮舟がグロテスクなまでに他者に欲望を向けられていることなどを指摘していて面白い。少々読み辛くはあるが、第三部を読むのに参考にはなると思う。2010/10/06

Gen Kato

1
薫の君と匂宮はそういうコトであったか…2014/11/12

ninoko

0
こうした解釈もあるのか。宇治十条は本編とは異質で不思議な物語なんだな。2012/09/01

Tatsuo Mizouchi

0
☆☆☆ 宇治十帖を読んだ違和感はそういうことだったのかな? 宇治十帖は正編の逆回しなんだね。2018/01/22

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