内容説明
「勝利か、自由か」。空前の総力戦が究極の選択を迫る。肥大する国家権力、抑圧される市民の自由―「自由の国」はこのジレンマにいかに対処したか。一一万余の日系人抑留、アメリカのアキレス腱=人種問題など、総動員体制下の民主主義の暗部に光を当て、非常時の自由主義社会をケーススタディする。
目次
第1章 「新しいアメリカニズム」と市民の自由(「新しいアメリカニズム」の形成;参戦過程と戦時中の市民的自由の抑圧)
第2章 日系人の強制収容とかれらの「忠誠」(パールハーバー奇襲攻撃と日本人社会の混乱;大統領行政命令9066号への道 ほか)
第3章 アメリカのディレンマ―総力戦体制下の黒人差別(戦争の到来とアメリカ黒人;平等な参加を求める運動 ほか)
第4章 戦後を見通した新たな模索―「赤狩り」の嵐を前に(黒人運動と政府の方向転換;日系人の動員と強制収容の終結 ほか)