講談社選書メチエ
江戸武士の日常生活―素顔・行動・精神

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062581967
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0321

内容説明

江戸の平和が武士の多様な生き方をもたらした。小姓から家老への出世、鷹狩・花見などの趣味、出奔して第二の人生へ―。身分制社会を柔軟に生きた彼らの個性あふれる素顔を追い、江戸社会をとらえなおす。

目次

第1章 中世から近世へ(兵農分離社会が誕生したとき;近世人の自国意識)
第2章 武士の生活を考える(日記から読む武士の素顔;三浦氏と石橋氏―上級武士と下級武士;家老と武士の一日;武士が病気にかかったとき ほか)
第3章 武士の精神をとらえなおす(武士社会の道理;出奔・仇討ち・立身出世―多様な生き方;家臣としての理想像;『葉隠』を読み直す ほか)

著者等紹介

柴田純[シバタジュン]
1947年、愛知県生まれ。京都大学文学部卒業後、同大学大学院博士課程修了。現在、京都女子大学教授。専攻は日本近世思想史。著書に、『思想史における近世』(思文閣出版、1991年)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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8

1
主に大名家の家臣から江戸時代の武士(臣下)の意識を探る。個別事例が紹介されるのは非常に良いが、出版物だけに演繹が広大すぎるかも。『葉隠』を“死ねば解決する無責任な論理”と看破し、軍国主義に利用された結果の現在の地位であると位置付けたのは良いけど、落とし所を見失った感がある。浅井駒之助の「人ハ人、我ハ我ナリ」という覚悟の決め方こそ、もっとクローズアップして欲しかった。2023/10/06

山縣有体

1
武士とはいかなる生き物か。その生き様や思考、日々の暮らしを彼らの日記等をもとにひもとく。武士であると云う事は、民の安寧を図る役人なり。2014/05/03

印度 洋一郎

1
書名が紛らわしいが、武士の日々の生活について書いた本ではない。前半は、江戸前期から中期にかけての紀州藩の家老とその家臣の医師の日記から、その勤務や就業の形態を考察する。他の武士の記録もひも解きながら、戦士から官僚へと変わっていった彼らがどうやってアイデンティティを保ったを探っている。後半は、武士道の思想書みたいな「葉隠」の内容を検証し、実は殿様の側近という立場の武士による、かなり偏った武士道であることをあばいていく。江戸時代にも明治時代にも顧みられなかった「葉隠」を称揚したのは、昭和の軍人達だったという。2011/05/24

補充兵

0
「葉隠」が大正時代にひろまったとの指摘は興味深い。2015/10/30

いちはじめ

0
日記などの史料を用いて江戸前期の武士のありようを論考。なかなか面白い。2000/12/07

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