講談社選書メチエ
ローマ帝国愚帝列伝

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  • サイズ B6判/ページ数 268p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062581813
  • NDC分類 288.493
  • Cコード C0322

内容説明

ネロ・カリグラ・カラカラ…。世界の頂点に上りつめ、残虐・淫蕩・放埓の果てに破滅した「愚帝」たち。魂の底知れぬ深淵を露呈する愚行にもかかわらず、巨大帝国ローマが揺るがなかったのはなぜか。その秘密に迫る。

目次

プロローグ 死後に裁かれるローマ皇帝
第1章 帝国に君臨するローマ皇帝
第2章 淫蕩帝伝
第3章 放埓帝伝
第4章 残虐帝伝
第5章 愚帝にも揺るがぬローマ―巨大帝国の「小さな政府」
エピローグ 権力に巣くう悪魔の囁き

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中島直人

12
ローマ帝国の6人愚帝の軌跡。抑制された筆致で描かれることで、歴史はスポークスマンによって作られることが良く分かる。ただし、あまり面白く無い。2016/08/15

ジュンジュン

8
「人は苦難を辛抱しても、栄華で堕落する」(タキトゥス)。今回登場する皇帝たちも、生まれながらの悪ではなく、最高権力の魅力、誘惑に負けた愚か者にすぎなかった。もっとも逸脱具合は桁外れだけど。なるほどそれで”愚帝”列伝なのか。トップに愚帝を戴いても揺るがなかった全盛期のローマ帝国。その考察は説得力があった。2020/11/02

ユビヲクワエルナマケモノ

6
「愚帝」が「淫蕩」「放埓」「残虐」と3章に分けて紹介されているが、どの皇帝にも各要素がかぶっていて分けた意味が乏しい上、ローマ史に詳しくない読者には話が前後して分かりにくいし、ある程度詳しい方には既知の話が多くあまり新鮮味は無い。本書で重要なのは第一章と五章で説明されているローマ皇帝というものの地位と、ローマ帝国の行政機構の説明部分である。同じ言葉を当てられてはいるが、中国の「皇帝」「帝国」とはその地位も国家体制もまるで異なるという点はいくら強調してもし過ぎることはないと私は思う。2021/12/22

Βουλγαροκτόνος

1
キャッチーなタイトルとは裏腹に、1・5章の内容は少々専門的で複雑。斜め読みしたいなら、2〜4章の愚帝列伝本体を読むだけで十分だろう▼留意すべきは、同じエピソードとしか書かれているものでも、出典によって信憑性に大きな差があること。タキトゥスやディオは信頼度が高いが、ヒストリア・アウグスタに至っては物語レベルであることも▼ただし全体としては、出典が原典から英独仏の二次文献まで網羅されており、かなり充実▼また、この本に、イタリアが1871年まで近代的統一国家を作れなかった理由を感じてしまうのは私だけだろうか。2024/04/14

鴨の入れ首

1
古代ローマ帝政期前中期に現れた6人の「愚帝」の事績を纏め、彼らの社会的背景を論述した解説書です。エピソードは本格的史書の記述もあれば巷間ゴシップネタもあり、話半分に読めばいいかなと思いました。しかしこの6人の皇帝たちが強烈な個性を持っていたことは間違いなく、とても興味深かったです。文章も構成も少し難しく、ローマ帝国の歴史にある程度以上に詳しい人向けですね。2024/03/13

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