講談社選書メチエ<br> 交易する人間(ホモ・コムニカンス)―贈与と交換の人間学

講談社選書メチエ
交易する人間(ホモ・コムニカンス)―贈与と交換の人間学

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062581783
  • NDC分類 361.1
  • Cコード C0330

内容説明

自然と「交感」し、人と「交際」し、物を「交換」する人間=ホモ・コムニカンス。ポトラッチ、歓待、クラ交易、供犠―人間存在の根源に宿る「負債」が駆動する行為。「敵対」を「友好」に変える贈与体制の驚くべき叡知とは?資本主義が破壊した文化制度を検証し、人間学に新地平を切り拓く。

目次

第1章 「“社会的”なもの」とは何か
第2章 交易の構造
第3章 交易としての労働―聖俗論の彼岸
第4章 交易としての贈与―共有される負債
第5章 神話的想像の動学―贈与と所有
第6章 人間学の基本問題―贈与と威信
第7章 「人格的所有」論―譲渡と非譲渡
第8章 資本主義の誕生―贈与から交換へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハチアカデミー

3
B+ 誰かに物を贈る行為には、金銭に還元することのできない、気持ち・思惑が潜んでいるーー 他者(人間だけでなく、自然や神を含む)と交易(交際、交換など混じり合う行為)することで生きる人間の心性を考察するとともに、現代が失いつつある人間性をも明らかにせんと目論んだ、壮大な一冊。理解するために何度でも読み返したい。西洋の思想を移入するだけでなく、それを租借し、発展させようという気概を感じた。2011/10/30

sk

1
やり取りするということは社会の基本。当たり前のことだけれどそれを精緻に議論していて、社会の根本に迫っている。2014/11/02

hogatt

1
古代日本の対外関係史を研究している人は読むべきかも。朝貢貿易ないし鴻盧館交易の本質の一端が見えるような気がする。2009/08/12

センケイ (線形)

0
ものをあげることは、経済的な意味だけでなく、かなり様々な意味に解釈できる。その一端を深く感じられる。確かに、贈り物をするとき、単になるモノの移動でなく、手元や送り先に、何かが残るような感覚がある。それは、モノに人格が乗ったり、あるいは自分の身体の一部を貸したりするように感じ取れるから(≒権利の一部は自分側にも残る)、ということらしい。また、2者間で閉じずに、実は人間を取り囲む自然が介在していることも示し、そこにまた広がりがある。理由の説明量にだけ物足りなさはあったが、それだけ論点が幅広く濃密である現れか。2016/10/19

take

0
交易を駆動するのは「負い目感情」という指摘が興味深かった。モースの『贈与論』で指摘されている「クラ」「ポトラッチ」等の現象について、その意味・機能を考えたい人に良い本だと思う。他人からの評判を得るために自分の財産を壊す習慣(=「蕩尽」)は一見不可解だが、ろくに勉強もしないのに大学に入り、数百万円も学費をおさめるのも同じようなものかと思った。2016/07/10

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