講談社選書メチエ<br> スサノオ神話でよむ日本人―臨床神話学のこころみ

講談社選書メチエ
スサノオ神話でよむ日本人―臨床神話学のこころみ

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  • サイズ B6判/ページ数 220p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062581646
  • NDC分類 164.1
  • Cコード C0311

内容説明

神話が民族のこころを支配する。荒ぶる、無邪気な神スサノオこそ日本人の「象徴」。子どもっぽさと「切れやすさ」、繊細な美意識とひそやかな宗教性。相反するものを同居させる日本人のこころの不思議な構造を、天神信仰から宮沢賢治、南方熊楠にいたる豊富な事例をもとに解き明かす。

目次

第1章 人間になりたかった神
第2章 臨床神話学の視座
第3章 元型的日本人、アマテラスとスサノヲ
第4章 怒りと宗教性の心理学
第5章 象徴の深みへ―ユング派の考え方
第6章 地震と雷―天災の象徴
第7章 もうひとつの宮沢賢治伝
第8章 生きているスサノヲの肖像
第9章 はじまりのための終末―日本人の変容に向けて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gotoran

49
日本のユング心理学者による臨床神話学の試み。日本神話のスサノオの視点からユング心理学に基づいて日本人の本質を探究していく。実に興味深かった。荒ぶる、無邪気な神スサノオこそが日本人の象徴であり、スサノオのてんかん的性格は爆発的な怒りと自然の一体感、子供っぽさと宗教性、このような相反する特徴が同時に備わっているところに現れていて、こうしたスサノオ的気質が創造性へと結び付いていると云う。また具体的な事例として宮沢賢治、斎藤茂吉、南方熊楠を挙げて、日本人のこころの不思議な構造について論考されている。2021/03/14

しょうゆ

3
癲癇について大分誤解していたなというのが正直なところ。スサノオの不思議さを常々考えていたのだけど、すごく腑におちて、面白かった。2017/01/20

Hidetaka Ohtsubo

3
面白かった。アマテラス=自己愛的、スサノヲ=てんかん的という対比からして興味深い。ユング派ならではの(?)胡散臭さというか、気のてらい、力業の感もあるが、日本人の心性の根底にスサノヲがいるというのは直感的に納得できる。また、「移動」や「見捨てられ」も示唆的だ。初読は読み飛ばしてしまったので、次の機会に精読したい本。2016/03/23

とまる

2
民俗学では柳田邦夫が有名だが、宮沢賢治の博識さを再認識。日本を知る上で自然信仰だけでなく天神信仰も調べていきたい。2011/06/18

ばろやん

1
スサノオの呪いは甦り、復活する。2018/03/21

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