講談社選書メチエ<br> 『新約聖書』の誕生

講談社選書メチエ
『新約聖書』の誕生

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062581639
  • NDC分類 193.5
  • Cコード C0316

内容説明

イエス没後、『新約』成立までなぜ300年も要したか。なぜ相矛盾する四福音書が存在するのか。「異端」活動の果実を巧みに取り入れた「キリスト教主流派」が、聖なる「テキスト共同体」を創り出すまでを描く。

目次

プロローグ 歴史のなかの新約聖書
第1章 イエスの時代
第2章 「復活」したイエス
第3章 主の兄弟ヤコブが登場したとき
第4章 パウロの分離
第5章 世界教会の構想
第6章 ユダヤ人社会の危機
第7章 脚光を浴びるパウロ的教会
第8章 模索するキリスト教
第9章 乱立する文書
第10章 独自の聖書
第11章 正典の成立
エピローグ 新約聖書を「読む」ということ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サトシ@朝練ファイト

37
地上のイエスと復活後のイエスとを分けるんだ。類似の本も当たっていきたい。2014/09/05

ゲオルギオ・ハーン

27
新約聖書の成立についてまとめた興味深い一冊。キリスト教は内容が最初からまとまっていたような印象があるが、実際は弟子たちの時代ですら派閥が分かれる状態だった。そもそも文書化すること自体イレギュラーな展開だった。弟子たちは権威を維持するために口頭伝承のみにする目論見だったが、マルコ福音書の成立によりそれが崩れてしまう。また、教会の中心地はどこにするかもすぐには決まらない(ユダヤ戦争とローマ帝国のネットワークという外的要因が決め手でローマへ)。弟子たちの言葉より文書が重要視されることで文書の乱立も激化した。2023/10/01

マウリツィウス

17
【パウロ/マルキオン】グノーシス批判として実際的に言及すべきはマルキオン根幹否定だ。その外在化されることで逃れた《残虐性》は追放排除に値する。『新約聖書』とは《神の言葉》=福音書記者たちの絶対事実を覆す前提論とはパウロのファリサイ的性質を無神論解釈することで蠢く。しかしパウロ書簡の継承とは実質共観/ヨハネ/使徒/黙示録の書が相互作用で構成されたもの、この突破壁を見出す神学者/信仰者も無限に存在、グノーシスの脆き壁は最大反駁者たちが見つけ出していた。それこそが《黙示録》であり《預言》、語り継ぐ事実と確証-。2013/06/20

ジュンジュン

3
新約聖書が現在の形に纏められたのが4世紀。イエスは、直弟子の十二使徒は、なぜ聖書(新約)を必要としなかったのか?300年後なぜ成立したのか?それも矛盾する記述がある27もの文書の寄せ集めとして。それらの問いに"権威の所在"をキーワードとして論考する。推論の積み重ねとはいえ、筋道が通っている考察だと感じた。2018/08/15

xin

3
興味深いテーマなのだが抽象的な論理展開が多いため具体的な知識が不足していると読みづらい本なのかも知れない。2015/03/12

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