講談社選書メチエ<br> 中国の秘密結社

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講談社選書メチエ
中国の秘密結社

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062581394
  • NDC分類 361.65
  • Cコード C0322

内容説明

ひとたび義兄弟となれば生死を共にし、一銭も持たずに天下をめぐり歩けるという驚異の組織。その構成原理とは?元末から現代まで、地縁・血縁をこえて蠢く「謎の組織」の実態に肉薄する。

目次

第1章 世界の終わりと虚構の「家」
第2章 洪門の幻
第3章 「反清復明」の神話
第4章 革命前夜
第5章 「民国」の思想
第6章 秘密結社としての中国共産党

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

天茶

2
★★★★ 中国革命とも密接に関わる秘密結社の実態について知りたくて手に取った。わりと中国革命との関わりにはページを割いていて、李立三がストライキ成功のため結社のリーダーと旧弊な義兄弟の契りを結ぶなど興味深いエピソードもある。中国共産党に秘密結社的な部分があるのは分かったが、一方で無理やり結びつけている部分も多い気がする。秘密結社とはいかにも中国的なイメージだったが、それが一種のオリエンタリズムでありむしろ秘密結社のない日本の方が特殊とも言えるとの指摘には自分の中国観の誤りを見つめなおすきっかけになった。2020/08/12

ほもさける

1
中国の秘密結社の系譜についてよくまとまっており、オカルトや陰謀論でない描かれ方だった。相互互助のネットワークとして見るとリアリティがあり、理解できる。日本のヤクザと似て非なる存在で、大陸ならではといった印象。ただいかんせん資料が少ないためか筆者の主観が強いのは仕方がないかもしれない。

富士さん

0
明の太祖関係の本を再読していた流れで再読。白蓮教以前の、例えば道教系に言及がないのが残念ですが、太祖も毛沢東もこれを足場に国を作った、中国近世を土台の部分で規定していたであろう民衆組織のお話です。示唆に富む内容で、ワタシは社会学的なアソシエーション研究として読みました。不信感ばかりを強調するかのような昨今の中国社会に対する報道をバランスよく理解するためにも、不確実な社会の中でどれだけ切実に信頼が希求され、計算可能な社会を作るための自主的な努力が行われてきたかを知ることはとても重要なことだと思います。2014/08/31

鬼山とんぼ

0
秘密結社的なものが存在しない日本人において、これだけ克明に中国の明代の事例を研究する人々がいたのかと驚かされた。特定マニア向け奇書・怪書の類と言って差し支えないと思うが、文章はよく練られており、著者が心血を注いだ作品であることは判る。ただ私が本当に知りたかったのは現代中国の裏面に跋扈する任侠系、共産党の地縁系組織であり、そちらへの言及は少なかったので、あまり参考にはならなかった。2018/05/18

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