内容説明
663年、倭国大敗。国家存亡の秋(とき)。後進性を痛感した倭は、国家体制の整備を急ぐ。対唐防衛綱の構築、亡命百済人による東国開発、官僚制整備。律令国家「日本」完成へといたる、古代の「近代化」を描き、あわせて現状におよぶ、無策、無定見の日本外交の問題点を抉る。
目次
序章 古代日本最大の危機
第1章 白村江への道
第2章 百済の役
第3章 律令国家「日本」の成立
感想・レビュー
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isfahan
5
『天智と天武』の参考図書として読もうと思ったら森先生、マンガの監修もしてらしたそうで…。偶然。飛鳥時代の外交関係描写が詳細にかかれていて、勉強になった。白村江はやっぱり古代史の大きな曲がり角なんだなあ。この敗北の上に築かれるのが律令国家で。著者が暗に、近代史の情勢とかぶせているのもわからないでもない。2015/09/26
ナオ
1
たった2日の戦争がその後の日本の外交に大きな影響を与えたことが良くわかった。壬申の乱についても読むべきかな。2010/12/22
鐵太郎
0
「白村江」とは、「はくすきのえ」というより「はくそんこう」と読むのがメジャーらしい。古代日本が、武力のある蛮人として文明国家のシッポである朝鮮の政治情勢に介入し、敗退したのがこの戦い。これによって古代社会がどう変貌したのか、読んでいて楽しかった。2007/07/28