内容説明
南北4000キロを覆う強大な帝国。万世一系の「太陽の御子」が平和裡に治める黄金郷。このイメージは、スペイン人が描いた虚像だった。忘れられた記録、インディオの証言が浮かびあがらせる、不安定な王権、血塗られた戦乱、被支配民の反感。最新の史料により錯綜するイメージを解きほぐし、真のインカ像に迫る。
目次
第1章 ペルー王国「発見」まで
第2章 征服者たちの描いたペルー王国―1530年代
第3章 インカ「帝国」像の誕生―1540~50年代
第4章 暴かれる「インカ帝国」の虚像
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
12
図書館にて▲中南米に関する本をいくつか借りた。うーん、中南米については疎いこと。ラテンアメリカさえ知識が薄いのに、スペイン征服前…先コロンブス期ともなればなおさらだ▲本書は「インカ帝国」像の虚偽性に焦点を当てる。ラス・カサスの人道的な言説はそこそこ知られているが、しかし、彼は南米ペルー王国の実像を語っているわけではない。インディオ自然奴隷説同様、ユートピア的インカ帝国像も虚像である。征服者たちによる年代記を批判的に読めるようになったのは第二次世界大戦後である。2023/04/21
サアベドラ
6
いままで流布していたインカ帝国のイメージは、シエサ・デ・レオンやインカ・ガルシラソなどスペイン人や旧インカ貴族によって書かれた史料に基づいており、それらは当然書き手それぞれのバイアスがかかっている。近年の考古学調査の成果や新発見の史料と照合することにより、それらのバイアスを可能な限り取り除いてインカ帝国の実像を探る、という内容。要旨はシンプルなのになんか読みづらい。詰め込みすぎで、情報が整理されてないように感じた。2012/08/21
たぬき
1
行間が多いので 大変ですよ2012/04/04