講談社選書メチエ<br> 唐から見た遣唐使―混血児たちの大唐帝国

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講談社選書メチエ
唐から見た遣唐使―混血児たちの大唐帝国

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  • サイズ B6判/ページ数 268p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062581257
  • NDC分類 210.3
  • Cコード C0321

内容説明

世界帝都・長安。この百万都市をめざした遣唐使五千人は、唐朝から札節と容姿を賞賛される。科拳に合格、唐高官となった阿部仲麻呂、周囲に才能を嫉妬された吉備真備ほかのエリート。唐との架け橋となった彼らとその子たちを通し、古代300年にわたる日中交流の実態を描きだす。

目次

序章 遣唐使の時代
第1章 長安を闊歩した若者たち(異国のロマンス;阿部仲麻呂の青春;還俗の僧たち)
第2章 時代の幸運児
(玄宗の寵を受けた弁正親子;万葉の歌人・羽栗吉麻呂;天翔ける翼;黒い瞳の喜娘)
第3章 混血児哀話(吉備真備の落胤;古代名匠異聞;文化使節への憧れ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ようはん

23
遣唐使の中には長い留学生活で現地にて妻子を持ったケースもそこそこあり、その子供の中には日本に渡り官職に就いて重用され、遣唐使として再び唐に渡ったりもしたというのは初めて知る。中には僧籍の立場でありながら還俗して家庭を築く場合もあったというのはまあ人間的と言えるかな。2021/10/27

hyena_no_papa

5
諸氏の書評で凡そ言い尽くされているので敢えて私が駄文を連ねる必要もないかもしれない。表題は平凡だが視点は秀逸。読んでいてどんどん興味が増してくる。描かれている人々も生き生きとしているし、ニ三の謎も散りばめてある。手慣れた筆致は日本人による凡庸な古代史関連書に勝る。好著!2022/08/18

鵐窟庵

5
遣唐使だと唐に渡り日本に戻れなくなった阿倍仲麻呂が有名だが、本書では弁正、円載、羽栗父子、吉備真備など他にも興味深い日中交流の生を描いている。弁正の二人の息子の秦朝元と秦朝慶の対照的な生は世代を超えた歴史の奇跡のような劇的さがある。ただ、実証されない部分もあるので、ロマンドラマ的にも思われる。とはいえ、中世以前の太古の昔から日中交流が行われてきたのは確かであるので、そこから現代社会においてもかつての文化的交流の痕跡を日中両国から見出せると、多くの政治的問題の背後にある文脈がより顕わになってくるのだろう。2021/01/19

竜王五代の人

3
タイトルはもうちょい適正なものにならなかったものか? まるで驥尾政策の一環として扱っているのかな、と期待させたじゃないか。それはともかく、内容は、遣唐使たちの唐での生活と、当然、そこで生まれる混血児たち(が日本に来て、藤原氏など上級貴族にもその血がまざっていく)。三蔵法師の逸話でも知られるけど、唐が自国民が国外に出るのを(外国人の妻子となった人も含め)厳しく取り締まっていたから家族が別れ別れになるような悲劇もあったとはいえ、混血児たちの国際人としての活躍は興味深かった。2023/02/16

ヨシ

3
犬上御田鍬や粟田真人など政府高官が親善のため、空海や最澄ら留学僧が修行・学問のために身の危険を冒して渡唐し、日本の律令政治の発展や学問の繁栄に貢献したという最低限の知識しか持ち合わせていなかった。本書は遣唐使・還俗した留学僧らが現地で設けた混血児に焦点をあてている。弁正の子である秦朝元や羽栗兄弟など唐で得た知識・語学力を買われて日本で活躍していったさまを描き、遣唐使のリアルな面に迫っている。著者は諸国の遣唐使が経済・政治・軍事的目的を有するのに対し、日本の遣唐使は文化的目的のみの平和使節であったという。2020/04/22

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