講談社選書メチエ
ナチ占領下のフランス―沈黙・抵抗・協力

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062580342
  • NDC分類 235.068
  • Cコード C0322

内容説明

ヴィシー時代。老元師ペタンにひきいられた日々は、「抹殺すべき四年間」と呼ばれる。対独協力者によるユダヤ人狩り、ファシズムを礼讃する知識人、ヒトラーに忠誠を誓った男たち…。多くの驚くべき事実がそこにはあった。三色旗が鉤十字に蹂躙されるなか、人びとはいかに生きたのか。われわれの知らない「もう一つのフランス」に、いま光があてられる。

目次

第1章 忘却のベール
第2章 第二次大戦前夜
第3章 ヴィシー体制
第4章 対独協力
第5章 レジスタンス
第6章 解放

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hepatica nobilis

13
封印されていたヴィシー時代。ナチの猛威の前に抵抗か沈黙か協力かを迫られた当時の人には、言い表せない屈辱感や葛藤があったことだろう。対独協力者の存在にも光を当てるが、それ以上に抵抗運動者たちにもあったという戦後を見つめた勢力争いも触れている。今自分がそれについて何か言うのはおこがましく、そこに身を置いたとすれば自分が沈黙以外のことができたとは思えない。なぜとがめられるだろう。一歴史としてコンパクトにまとまっている。2015/07/26

belier

5
1940年、フランスはあっさりドイツに降伏し、水で有名なヴィシーに対独協力政権が置かれた。パリでは500万人いた住民のうち残ったのはわずか70万人ほど。ロンドンからフランス人に抵抗を呼びかけ、反独の象徴となったドゴールは当時50歳ぐらい。無名だったというのは意外。ナチに協力するフランス人も多く、ユダヤ人迫害に加担したことが戦後も傷となる。やがてドイツの戦況が悪くなり、フランス人の抵抗は強くなったが圧政もひどくなった。また反独勢も思想によりグループが分かれ複雑な関係だった。この状況、学びは多いと思う。2022/03/30

印度 洋一郎

3
第二次大戦中、ドイツに敗北したフランスに樹立された、いわゆる「ヴィシー政権」について、その前史、誕生、変遷、崩壊、その後をコンパクトに網羅した本。現代フランスの正に黒歴史であるヴィシー時代について、誇大に吹聴されたレジスタンス神話を論破しながら、ドイツに逆らわず沈黙した大多数の者から、ドイツの作る新秩序で有利な立場を築くべく積極的に協力した者など、様々なスタンスがあった。その上ヴィシー政権内部でも階層や思想によって呉越同舟だったので、鋭い対立や権力闘争があった。この時代に関する総括はまだ終わっていない。2014/07/01

PukaPuka

2
ミニュイ社が地下出版であったこと、ド・ゴールが不屈の精神でフランス解放のために大きく動きだしたのは50歳のことが、この本を読んだ最大の収穫であった。ドイツにどんどん浸食されていくところは、今フランスのコロナ対策がドイツに比べてダメダメであることと、重なって見える。2020/05/06

mimm

1
老元帥ペタンに率いられた「抹殺すべき四年間」と呼ばれるヴィシー時代。対独協力者や抵抗する人々の姿。びっくりしたのは国民間の密告や政党間の権力争いなど、国の内の混乱で、一丸となって困難に立ち向かっていかなかったのね、ということ。また、連合国や米英が戦後に分割占領しようと貨幣発行の相談などしていたとか。対独より国内の争いがすごかった印象。まだまだ知りたいことがたくさん!2018/03/05

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