講談社選書メチエ
漢詩と日本人

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  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062580335
  • NDC分類 921
  • Cコード C0398

内容説明

『白氏文集』も『和漢朗詠集』も、写本で読むしかない時代、中国の詩は、ひとにぎりの宮廷貴族のものであった。木版印刷による空前のロングセラー、『唐詩選』、『三体詩』は、読者階層を庶民大衆へと大きく広げ、その影響は、俳諧、川柳から都々逸にまで及ぶ。わが国の古典と化した漢詩の、豊かな味わいとつきない魅力を語り、日本人との千年以上にわたる深いかかわりを丹念に跡づける労作。

目次

漱石と漢詩
阿倍仲麻呂と唐の詩人たち
平安朝の文人と漢詩
『三体詩』の話
『唐詩選』の話
都々逸と漢詩

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きさらぎ

6
章立ては「漱石と漢詩」「阿倍仲麻呂と唐の詩人たち」「平安朝の文人と漢詩」「三体詩の話」「唐詩選の話」「都々逸と漢詩」。明治期の文豪の漢学の素養から話を起こし、一気に奈良朝へ。大唐に憧れて唐へ渡った遣唐使たち、和歌と漢詩が並び立つ平安期の「和漢朗詠集」、五山文学と三体詩の章はやや詳細すぎてやや難儀だが(著者には『宋詞』『三体詩』などの著作がある)、次の章の「三体詩」と「唐詩選」の比較などとても面白い。芭蕉や蕪村の漢学的素養と俳句を論じる章もとても興味深かった。唐詩選の流行にはそれなりの理由があるんだなあ。2018/07/31

in medio tutissimus ibis.

2
平安時代の歌から明治の都都逸まで、漢詩をテーマにしたり翻案したりそのまま組み込んだりしているのを見ると、この頃の歌に英語が猖獗極めているのも今に始まった事ではないんだなぁと感心する。ちゃんと上手にやってるものの方が俎上には登るけど、ちゃんとヘタッピなのもあったよと(学問上の理由からそれはそれで重要だったとはいえ)言及されたので、現代の無理矢理な外国語遣いにも少し優しくなれる気がする。江戸時代の出版事情もなかなか興味深かった。著作権とかは無くても、株仲間の中で海賊版は規制されていた。全くの無法地帯でもない。2019/03/04

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