内容説明
対抗宗教改革の時代。ハプスブルク家の小さなエピソード「ルードルフと司祭」は、カトリック信仰のシンボルとなって様々に変容していく。そして、フェルメール『信仰の寓意』のカーテンに描きこまれたルードルフ一世。その意図はなにか。「寓意」とは…。社会的コンテクストのなかで図像を読み解く刺激的な書。
目次
第1章 敬虔なる始祖―「ルードルフと司祭」伝承の成立と十六世紀までのその展開
第2章 理想的カトリック君主―対抗宗教改革期における伝承の変容
第3章 祝祭と演劇の中の「ルードルフと司祭」
第4章 伝統と創意―スペイン領ネーデルラントを中心とする十七世紀の作例
第5章 ルードルフに倣いて
第6章 皇帝家礼賛―中欧のバロック美術
第7章 フェルメールの『信仰の寓意』