講談社選書メチエ
関ケ原合戦―家康の戦略と幕藩体制

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  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062580038
  • NDC分類 210.48
  • Cコード C0321

内容説明

関ケ原での東軍の勝利は「徳川の力」によるものではない。秀忠の軍勢三万の遅参、外様大名の奮戦。不測の事態が家康の計算を狂わせた。苦い勝利。戦後処理の複雑な陰翳。三百年の政治構造がここに決定される。近世の幕藩体制の礎を築いた「天下草創」の戦いを描ききる。

目次

第1章 豊臣政権とその崩壊
第2章 三成挙兵
第3章 関ケ原の合戦―慶長五年九月一五日
第4章 戦後処理―征夷大将軍任官の政治的文脈
第5章 むすびに―関ケ原合戦の歴史的意義

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

オールド・ボリシェビク

4
遅参した秀忠軍に注目しているところが新しい。秀忠軍は徳川の主力だった。これ抜きで戦うことは、非常に危険だった。結果、東軍は勝利を治めたが、それは調略の成果であり、さらには偶然もあるのだ。合戦の朝、なぜ井伊直政が婿の松平忠吉とともに抜け駆けをしなくてはならなかったのかなどの考察も面白い。福島正則ら、外様の力を借りつつも、合戦はあくまで徳川のものであることを示すためだったのである。1994年と、ほぼ30年近く前の刊行。その後、いろいろ研究も進んでいるのだろうなあ。歴史もつねにアップデイトされるという皮肉。2023/07/17

はにゅ

2
到着しなかった主力軍。辛うじての勝利。この本を読むと、徳川幕府は決して安定したスタートを切っていないことに気がつくんじゃないでしょうか。筆者は最近(2015年)日文研を退任された人であり、今こそ再読すべき本。2015/04/02

印度 洋一郎

2
戦国の世のターニングポイントである「関ヶ原の乱」を流布するイメージに囚われずに分析してみよう、という本。当時の軍制や一次資料を再検討することで、意外な関ヶ原の姿が見えてくる。何となく、家康の思惑通りに運んだ戦だと思ってしまうが、実際は際どい勝利であり、戦後処理も徳川にとって苦いものになっていた。豊臣家も決して無力化されたわけではなく、豊臣関白家と徳川将軍家の”公武合体体制”もあり得たかもしれないという考察には驚かされる。2010/08/19

kokada_jnet

0
秀忠軍の遅参により、徳川軍主力は関が原の合戦の場所にはいなかったという分析から、関が原は豊臣系大名どうしの合戦という意味あいが強かったと強調する。2012/03/09

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