ブルーバックス<br> 分子進化のほぼ中立説―偶然と淘汰の進化モデル

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分子進化のほぼ中立説―偶然と淘汰の進化モデル

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  • サイズ 新書判/ページ数 176p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062576376
  • NDC分類 467.5
  • Cコード C0245

出版社内容情報

生物が進化するということは、遺伝子が変化するということだ。遺伝子は偶然と必然の微妙なバランスで進化してきた。生物が進化するということは、遺伝子が変化するということだ。遺伝子は偶然と必然の微妙なバランスで進化してきた。

遺伝子から、生物進化を考える
自然淘汰だけで、進化は語れるだろうか? どんなに優れた形質でも、子に受け継がれなくては、その形質は絶えてしまう。受け継がれるかどうかは、確率が支配する。集団遺伝学の第一人者が提唱する偶然と淘汰の新しい進化モデルを解説する

1968年、国立遺伝学研究所の木村資生博士によって提唱された「中立説」は、自然選択説を信奉していた進化の研究者たちにたいへん大きな衝撃を与えました。その共同研究者で、中立説の理論的発展に貢献した著者が、実際の生物進化に即してさらに理論的に推し進めた仮説が、現在は国際的にも高く評価されている「ほぼ中立説」です。

第1章 集団遺伝学とは
第2章 中立説提唱の前後
第3章 ほぼ中立説の始まり
第4章 ほぼ中立説の予測の検証
第5章 遺伝子重複による進化
第6章 遺伝子発現調節の進化
第7章 自然淘汰検出の集団遺伝学
第8章 ヒトゲノムの特徴
第9章 ロバストネス、エピジェネティクス、そして形態の進化


太田 朋子[オオタ トモコ]
著・文・その他

内容説明

自然淘汰だけで、進化は語れるだろうか?どんなに優れた形質でも、子に受け継がれなくては、その形質は絶えてしまう。受け継がれるかどうかは、確率が支配する。集団遺伝学の第一人者が提唱する偶然と淘汰の新しい進化モデルを解説する。

目次

第1章 集団遺伝学とは
第2章 中立説提唱の前後
第3章 ほぼ中立説の始まり
第4章 ほぼ中立説の予測の検証
第5章 遺伝子重複による進化
第6章 遺伝子発現調節の進化
第7章 自然淘汰検出の集団遺伝学
第8章 ヒトゲノムの特徴
第9章 ロバストネス、エピジェネティクス、そして形態の進化

著者等紹介

大田朋子[オオタトモコ]
1956年東京大学農学部農学科卒業、1966年アメリカ・ノースカロライナ州立大学大学院博士課程修了。1967年から学術振興会奨励研究員として国立遺伝学研究所集団遺伝部で研究を開始、1969年より同研究所研究員となる。現在は同研究所名誉教授。Ph.D.、理学博士。猿橋賞、遺伝学奨励賞など受賞、日本人女性研究者では唯一のアメリカ国立科学アカデミー外国人会員でもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

内島菫

27
「分子レベルの進化の大部分は、「自然淘汰によくも悪くもない中立な突然変異が、偶然、すなわち遺伝的浮動によって集団中に広がり固定することによる」」とする分子進化中立説(中立説)の問題点(突然変異を自然淘汰や遺伝的浮動とより無理なく繋ぐことはできないか)についての説明を可能にするよりきめ細かい説が、ほぼ中立説と理解した。この説によれば、小集団であるほど進化が急速になるため、形態の急速な進化でしばしば化石が欠落していることにも説明がつくという。それにしても、遺伝子の仕組みの多彩さ、周到さには驚かされる。2017/07/05

kaizen@名古屋de朝活読書会

23
#説明歌 ほぼ中立弱有害と淘汰から予測検証エピジェネティックス2017/08/11

樋口佳之

16
ロバストネスと言う現象を知る事できました/提唱した理論が遺伝子研究の進歩で裏付けられていく状況っていくのは研究者にとってはすごくエキサイティングな事なのでしょう。2007年刊、次第に一般人の常識になっていくのかな。2018/09/01

マルレラ

14
分子進化の中立説では説明できなかった部分が、「弱有害効果を持つ突然変異=ほぼ中立な突然変異」による説への拡張により説明可能であることを解説した本。 集団のサイズが大きければ自然淘汰が有利に働き、集団のサイズが小さければ遺伝的浮動の影響が大きくなる。この時、突然変異の多くが弱有害効果を持つと考えると、大集団では有害効果が優位になり、進化には寄与しない。一方で、小集団では中立的に働き進化に寄与する。このほぼ中立仮説により、著者は集団のサイズと進化速度に負の相関がある事を予測した。 2021/08/25

calaf

12
ダーウィンの自然淘汰は、生物集団の大きさが小さい場合には働かない場合がある。それがこの著者の主張する「ほぼ中立」説。最近の分子生物学の発展によって、生物の多くの部分でこのほぼ中立説が成り立っていると考えられはじめている...らしい...ちょっとというか相当、生物の基礎知識がないと読みこなせないかも。2013/03/12

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