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内容説明
身の回りの熱から、ブラックホールのエントロピーまで、なっとくしながら理解できる。熱と温度はどう違うのか?エントロピーとは?マックスウェルの悪魔はなぜいないのか?まだ、もやもやしている人に最適の再入門書。
目次
第1章 マックスウェルの悪魔21(マックスウェルの悪魔って誰?;「現代版のマックスウェルの悪魔」はパソコンの中に潜んでいる?;計算に必要な熱はゼロ? ほか)
第2章 ちょっとエンジンをかける(断熱と等温のグラフを理解する;超音速でピストンを押してみる;最大効率早わかり ほか)
第3章 溶鉱炉とブラックホールの黒い関係(熱には放射もある;理想気体と比較してみよう;オーブンの中にはどんな種類の光子がいるのか ほか)
著者等紹介
竹内薫[タケウチカオル]
文筆業。1960年東京生まれ。1983年東京大学教養学部教養学科、1985年同理学部物理学科卒業。カナダ・マギール大学哲学科修士課程などを経て、1992年博士課程修了。Ph.D(高エネルギー物理学専攻)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
19
タイトルのとおり、「熱」とはなにかということでエントロピーについて基礎的な考えにはじまり、黒体放射、ブラックホール、ホーキング放射の話までする壮大な一冊。理系の作家さんということで文章がとても分かりやすくて、熱力学のあれこれを話す登場人物たちも妙に個性があって楽しく読めた。個人的に物理学の分野だと熱力学が一番好きだし、興味を持っているので飽きずに勉強できた。参考文献から次に読む本を選んでいきたい。2021/01/21
J
8
★★☆☆☆ 最近、「学生時代習ったけどよくわからなかった(もしくはすっかり忘れた)のでもう一度学習してみよう」という気になって数学・物理の本を読んでいる。これもその一環で熱力学を思い出すきっかけにしたかったのだが、、思い出す以前に興味を持って読む気がなくなってしまった。途中に挟まれる登場人物の会話も笑えるものはなく、むしろ興を削ぐものだった。3章のブラックホールになってようやく少し面白くなったが、この手の話は類書が多いのでそちらを読んだ方が良い。熱力学の復習はまた別の本を探すことにしよう。。残念。2023/07/30
美東
3
「マックスウェルの悪魔」とは 「シュレディンガーの猫」とともによく知られた 物理学の代表的思考実験である。 竹内さんの本の最後のほうに リチャード・アインホーンというNY在住の作曲家による バレエ音楽「マックスウェルの悪魔」が紹介されていた。 ネット上で http://www.richardeinhorn.com 公開されていたのでさっそく聴いてみた。 ん~ クロノスQが弾いていた T.ライリーの「狼男、月下に乱舞」に どこか似てるような気がする... 2007/05/22
くろほ
3
熱力学第二法則は、文学で言うと夏目漱石レベルのポピュラーさらしい。まじか。俺理系なのに。エントロピーっていうのは温度に先行する概念だったんだな。マックスウェルの悪魔まではなんとか頭がついていったが、ブラックホールだのホーキング放射だの超ひも理論だのになるともう何が何だか。あと隊長とか猫とか登場人物最後どこ行ったんだよ。2012/01/13
kazhc57
1
機械工学科を卒業したのですが、熱力学は大嫌いで15年ほど関係ない仕事をしていました。その後エネルギー関係の仕事につき、昔学んだことを思い出しながら仕事をしていましたが、特にエントロピーが苦手でした。数式でなんとか計算はできても、どうしても腑落ちできず、エントロピーの入門書などを読んでいました。この本はある程度数式を使っているので、逆に理解し易かったです。はじめから情報工学と熱力学のエントロピーは同じものだと言い切り、比較して説明しているのもありがたいです。でも完全に腑落ちするまでは行きませんでした。2023/01/24