ブルーバックス
世界の放射線被曝地調査―自ら測定した渾身のレポート

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  • サイズ 新書判/ページ数 280,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062573597
  • NDC分類 539.68
  • Cコード C0240

内容説明

著者は、広島大学原爆放射能医学研究所の研究者である。米国の水爆実験の舞台となった南太平洋の島々から旧ソ連の核兵器実験場カザフスタンや、シベリアの核爆発地点周辺、原爆用プルトニウム製造所からの廃棄物汚染などのあった南ウラル、世界を震撼させた原子力発電所事故のチェルノブイリ、さらには臨界事故の東海村まで、自ら測定してまわった迫真の報告書。

目次

第1部 核災害の概要(核爆発とその影響;放射線被曝の基礎知識;世界の核兵器実験とその影響;原子力発電と核燃料サイクル)
第2部 調査の現場から(マヤーク・プルトニウム製造企業体周辺での核災害―ロシア連邦チェリャビンスク;旧ソ連邦での核兵器実験による周辺住民の被曝―カザフスタン共和国セミパラチンスク;南太平洋における米国の水爆実験―マーシャル諸島共和国ロンゲラップ環礁;シベリアにおける核爆発の産業利用―ロシア連邦サハ共和国;チェルノブイリ事故―厳戒管理地区;東海村臨界事故―遮蔽されていた至近住宅街;放射線被爆地の回復;家族のための放射線防護―緊急時にあなたができる放射線防護)

著者等紹介

高田純[タカダジュン]
1954年、東京都生まれ。弘前大学理学部物理学科卒。広島大学大学院理学研究科博士課程前期(原子核物理実験)修了、同課程後期中退。理学博士。鐘淵化学工業中央研究所、シカゴ大学ジェームスフランク研究所、京都大学化学研究所、イオン工学研究所を経て、1995年より広島大学原爆放射能医学研究所国際放射線情報センター助教授。緊急被ばく医療地域フォーラム講師などを兼務。専門分野は、被曝線量評価、放射線防護、環境放射線。鐘淵化学工業技術振興特別賞、未踏科学技術協会高木賞を受賞。日本放射線影響学会、応用物理学会会員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Koning

6
陰謀論者のトンデモ本を読んだ口直しに最適でした。福島事故なんて誰も予想してなかった時代の本。広島長崎からビキニのロンゲラップ、セミパラチンスク、そしてチェルノブイリまで測定器持って現地調査をしまくった記録。生物学的半減期も含めてちゃんと知っておくべきことがこんな時期にちゃんと書かれてたのだよねぇ。と思うんだけど、これを読ませたい連中はおそらくあっちの連中の本を読んでこんなデータはどーたらこーたらと閉じこもっちゃうのだろうなぁ。そう思うと悲しいなぁ。これはいい本すよ。2012/11/02

Hiroki Nishiyama

4
大自然の長い時間で考えれば、放射脳なぞ気にする必要はないのかも知れません。しかし、人間の時間でじゃとても大きな問題です。原子力発電は将来世代に多くの負担を強いるものであり、持続可能ではありません。そのような状況の中、筆者は熱心に生物の生きられないといわれる地域で調査を繰り返し、多くの希望と感動を与えてくださいました。もし自分の子孫に禍根を残したくないのであれば、私たち若者が議論をしないで、誰が議論をするのでしょうか。2011/09/10

kwy8791

3
いま読むと、こう、なんというか、味わい深い…。ポジショントーク部分を差し引いても読んで良かった一冊。3.11後の刷には追記もあるらしいので、入手して読みたい2011/08/24

Yasuo Uematsu

2
本書は自分で作製した測定器をもって旧ソ連の核兵器実験場周辺やチェルノブイリ、東海村など核災害地を回って調査した記録であり、復興の方向を示す指針の書であり、放射線防護の対処法を教示する教科書でもある。核分裂や臨界量など私などじつはよくわかっていない基礎知識の解説もわかりやすい。10年前の出版で、初版で読んでいたのだが、ふと思い出して再読し改めて感銘を受けた。2012/05/26

どさんこ

1
放射線は本当に大丈夫なのかと思い手に取った。読み終えても疑問は全く消えない。多分、原子力規制委員会を含め、何も信じられなくなっている。福島では、甲状腺被爆の影響はないとして子供たちへのヨウ素剤の服用を見送った経緯がある。十年後、本当に健康被害が生じることはないのか?後から謝罪をされても意味がない。とにかく、自然放射線を除き、原発で発生する人工的な放射線は、その線量の過多にかかわらず不必要であるとして、一切禁止すべきではないだろうか。たとえ、その考えが非科学的であると言われたとしても。2016/10/20

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