内容説明
「平成大不況」は、なぜ、かくも長く、かくも執拗に続くのだろうか。元凶の一つは、「官僚が金融機関を通じて企業を支配する」という「日本資本主義」だ。経済学の視点から日本経済を眺めれば、その罪は明々白々となる。実は経済学こそが、この不況を克服するための道しるべであるということに、エコノミストも国民も気づいていない。戦後日本経済、バブル崩壊の法則を経済学によって再検証し、1億総エコノミストを実現することが、不況克服への近道だ。
目次
序章 文庫のための「平成大不況のエッセンス」
第1章 バブル弾けの論理をとっくりと
第2章 GNPを見つめよ、さらば汝、経済を悟るべし
第3章 ヒットラーは如何にして完全雇用を実現したか
第4章 風が吹けば、桶屋以外も儲かる恐ろしさ
第5章 ケインズは死なず
著者等紹介
小室直樹[コムロナオキ]
1932年、東京都に生まれる。京都大学理学部を卒業後、大阪大学大学院経済学研究科を経て、フルブライト留学生となり、渡米。マサチューセッツ工科大学、ミシガン大学、ハーバード大学で、経済学、心理学、社会学、統計学を学ぶ。その後、東京大学大学院法学政治学研究科修了、法学博士
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感想・レビュー
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yamamiki
8
この本は平成不況真っ只中、平成15年に加筆修正され出版されている。初出は、その更に12年前、何故再出版されたのか、その目的は、如何にしたら、日本経済がその泥沼から抜け出す事が出来るのかを示したいのと同時に読者が経済学を体得し巷間言われている経済事項に関し読者自らが判断できるようにという意図の元に書かれています。それだけ巷での経済情勢に関する情報は的ハズレなものが多かったということ。ケインズは死んだと言う者もいるが、決してそんなことはない。経済は有効需要-GDP(この本ではGNPといってる)を、如何→続2016/04/10
Hisao Chugun
1
①Y=C+I(国民所得=消費+投資)、②C=aY+b(投資=限界消費性向*国民所得+最低消費水準)、①と②の連立方程式を解くこと。もうひとつ③D=S(需要=供給⇒市場均衡条件)。結局この3つの式だけを使って、経済の勘所を説明しています。 処方箋として示される結論も驚かされるかもしれない。小室直樹といえば、右派のイメージが強く、日本ではいつの間にか右派≒新自由主義、マーケット至上主義となっていたが、小室さんは違います。「ケインズは死なず」「ケインズ政策を強行せよ」と結論づけています。 2021/02/05
MIRACLE
0
サムエルソンの経済学のエッセンスを解説した本。1992年刊行の『日本経済破局の論理―サムエルソン「経済学」の読み方』(光文社)の文庫化。2016/08/10
youco
0
経済版の勝間本。超スーパー初学者には、解り易くてよいかも。パラッと眺める以上を本書に求めなければ、簡潔で解りやすく経済学を伝えている2009/03/12