絢爛たる奔流

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絢爛たる奔流

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  • サイズ B6判/ページ数 345p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062206594
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

川の流れを変え、新たな川を作る。戦国末期、江戸初頭、幕府に代わってとてつもなく大規模なプロジェクトに挑んだ「商人」がいた。戦国から江戸へ時代が移り変わる慶長年間、京都に「水運の父」と呼ばれた男がいた。豪商・角倉了以。
了以は金融業や海外貿易で得た莫大な資金を投じ、京の都をさらなる繁栄に導くため、大堰川や高瀬川を開削する大プロジェクトに挑む。
江戸幕府の命により、さらに大規模な富士川や天竜川にも手を広げることに。
偉大な了以を支えながらも、自らは書や文芸に親しむ生活に魅力を感じていた息子・与一。
角倉親子の挑戦の年月を描く、長編歴史時代小説。

第一章 五十知命
第二章 大堰川、春から夏
第三章 大堰川、夏から秋
第四章 富士川
第五章 天竜川
第六章 鴨川
第七章 高瀬川
第八章 六十耳順


岩井 三四二[イワイ ミヨジ]
著・文・その他

内容説明

豊臣から徳川へ時代が大きく動いていた慶長年間、京の商人・角倉了以は朱印船貿易で得た私財を投じ、富士川や高瀬川の開削に挑んだ。巨岩を砕き、川底を掘り、滝を消し、舟を上流に戻す道を開く。だが、とてつもなく大規模な事業は、自然と人両面からの困難に見舞われ続ける。

著者等紹介

岩井三四二[イワイミヨジ]
1958年岐阜県生まれ。一橋大学卒業。’96年「一所懸命」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。’98年『簒奪者』で歴史群像大賞、2003年『月ノ浦惣庄公事置書』で松本清張賞、’04年『村を助くは誰ぞ』で歴史文学賞、’08年『清佑、ただいま在庄』で中山義秀賞、’14年『異国合戦 蒙古襲来異聞』で本屋が選ぶ時代小説大賞2014をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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いつでも母さん

101
書き出しから心惹かれた。これが父・了以の生きた証だ。幕府は豪商の財を使わせる意図もあったのだろうが、富を得た者が人の為にどれだけ尽くせるだろう。角倉氏一族、絢爛という形容詞がつくのは肯ける。財だけではこれらの大事業を完成出来なかったはずだ。了以の情熱あってこそだ。高瀬川の経緯もこういうことだったのかと学びにもなった。偉大な父を持つと二代目は何かと辛くもあるのは今も同じか。そんな二代目・与一も今は亡き娘・お春と同じ病となり自分の人生を振り返るのがどうにも切なかった。豪商ならではの悲哀と親子の物語でもあった。2018/01/19

クラムボン

24
京都の土倉、角倉了以の晩年を描く。家康の天下。この時期に大土木事業を興した。角倉の本業は金貸しと朱印船貿易、河川土木とは縁が無いが物流に目を付けた。大堰(保津)川を開削して丹波の物資を京に運ぶのだ。その成功が逆に幕府から富士川と天竜川の開削を命じられる破目に。全てが私財だ。ただ最後の高瀬川が良い。京二条から伏見まで幅四間の運河を造る。洛中は秀吉の御土居の堀を利用、農業用水路も利用する。土木技術は元より、事業の採算性、土地の買収交渉、馬借との補償問題、用水の権利問題、ここにはあらゆる問題が詰まっている。2022/05/03

kawa

23
家康が天下を握りつつある時代、京都嵯峨の商人・角倉了似による大堰川(保津川)開削、横暴な幕府からの命による富士川、天竜川、さらに京都・高瀬川の水運整備のチャレンジを描く。自分も工事の現場で立ち会っているような臨場感。現代の企業経営者にも、一読してもらいたいようなベンチャー振り。歴史の影に埋もれる偉人に、光をあてる著者の仕事振りに拍手!!!2017/09/04

ハッチ

21
★★★★☆富士川に船を通したり、高瀬川を作った商人角倉親子の歴史小説。この時代全て手作業で、護岸を削ったりしたのは相当難儀したに違いない。また高瀬川という名は聞いた事があったが人工の川とは知らなかった。2017/09/12

まさ影

12
本作で造形された角倉了以は、民のため公のためという意識はもちろんあるがそれよりも名を残したい事業やりたいという欲に突き動かされる暴走機関車。そしてそんなパワフルな父親に振り回される息子与一。この与一の視点があることによって物語に深みが出ているように思う。 今のところ本年度ナンバーワン小説。2017/08/03

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