出版社内容情報
あの嫌われ者は、何のために闘い続けたのか――。歴史の細部を丁寧に掬う作家が現代人に問う、石田三成の志。渾身の書き下ろし長編。大義、嫉妬、敵愾心。押しつぶされそうな時もある。
この三成は、屈さない。
あの嫌われ者は、何のために闘い続けたのか――。
豊臣家への「義」か、はたまた自らの「野心」からなのか。
覇王信長の死後、天下人を目指す秀吉のもと、綺羅星の如く登場し活躍する武将たちを差し置いて、最も栄達した男、石田三成。彼の「眼」は戦国を優に超えていた――。
歴史の細部を丁寧に掬う作家、吉川永青が現代人に問う、政治家石田三成の志。渾身の書き下ろし長編小説。
第一章 天下
第二章 決意
第三章 混迷
第四章 決戦
吉川 永青[ヨシカワ ナガハル]
著・文・その他
内容説明
豊臣家への「義」か、はたまた自らの「野心」からなのか。覇王信長の死後、天下人を目指す秀吉のもと、綺羅星の如く登場し活躍する武将たちを差し置いて、最も栄達した男、石田三成。彼の「眼」は戦国を優に超えていた。
著者等紹介
吉川永青[ヨシカワナガハル]
1968年東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業。2010年「我が糸は誰を操る」で第5回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yoshida
160
新しい石田三成の姿が描かれる。石田三成の印象は司馬遼太郎さんの「関ヶ原」にある、潔癖な豊家の藩屏であった。この作品だと、石田三成は徳川幕府の治世の礎を築いたことになる。そして、石田三成の余りの万能かつ慧眼振りに少し違和感があるのは拭えない。秀吉の老耄してゆく様は良く描かれていて、切なくなりましたね。この作品で石田三成の知られざる面を知り得たことは確かです。佐和山19万石の身代と思いきや、実は実録は40万石相当の身代だったのですね。新しい石田三成の情報を知る事が出来た、歴史好きも発見のある作品と思います。2017/06/08
starbro
119
大河ドラマ「真田丸」を視ているので最近、石田三成に興味を持っているのと、著者が同じ大学・学部(知っている限り唯一)の後輩だということもあり読みました。吉川永青、初読です。「真田丸」の脳内BGMで一気読みしましたが、史実に忠実過ぎるからか、秀吉、家康他、個性の強い登場人物が多過ぎるからかわかりませんが、主人公のはずの石田三成が浮かび上がって来ませんでした。著者の力量不足でしょうか?本来であれば、贔屓目に見たいのですが・・・2016/09/01
とん大西
112
岡田准一君の『関ヶ原』もあって、最近は石田三成をちょいと贔屓目にみたりしてます。戦国時代の、というか日本史の分岐点における超超キーパーソンでありながら、いわゆる「英雄」ではないんやよね、三成は…。秀吉という「英雄」に仕え、家康という「英雄」に抗い続けた秀才の凡人(秀吉や家康からみれば)やったんやねぇ。武将としては負の評価でも行政官僚としての手腕は英雄と言ってもいいほどの卓越した能力。もし、徳川時代の老中だったら教科書に載ってたやも…まぁ、タラレバですが。それにしても、家康への最期の啖呵は見事見事でした。2019/07/04
巨峰
65
石田三成の半生を描く。筋を通し、秩序を保とうと行動を重ねることが佞臣よばわりすされる理由となる立場の難しさ。まあ、それにへこたれないのがこの人の毅さであり弱さであるだろう。もう少し新しい視点があればなおよかったかもしれないですね。2017/08/19
ポチ
58
融通が利かない、堅物、人を思い遣る事が出来ないなど、色々言われている三成だが、豊臣政権をより強固にする為に敢えて嫌われ者を演じた…。新しい解釈は無く、読了後の感動も無かった。少し残念な気がしました。2016/11/08