異類婚姻譚

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  • サイズ B6判/ページ数 166p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062199001
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

他人同士が一つになる「夫婦」の魔力と違和を軽妙なユーモアと毒を込めて描く、大江健三郎賞、三島由紀夫賞作家の2年半ぶり最新作!「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。」――結婚4年の専業主婦を主人公に、他人同士が一つになる「夫婦」という形式の魔力と違和を、軽妙なユーモアと毒を込めて描く表題作ほか、「藁の夫」など短編3篇を収録。大江健三郎賞、三島由紀夫賞受賞作家の2年半ぶり、待望の最新作!

異類婚姻譚
〈犬たち〉
トモ子のバウムクーヘン
藁の夫


本谷 有希子[モトヤ ユキコ]
著・文・その他

内容説明

子供もなく職にも就かず、安楽な結婚生活を送る専業主婦の私は、ある日、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気付く。「俺は家では何も考えたくない男だ。」と宣言する夫は大量の揚げものづくりに熱中し、いつの間にか夫婦の輪郭が混じりあって…。「夫婦」という形式への違和を軽妙洒脱に描いた表題作ほか、自由奔放な想像力で日常を異化する、三島賞&大江賞作家の2年半ぶり最新刊!

著者等紹介

本谷有希子[モトヤユキコ]
1979年生まれ。2000年、「劇団、本谷有希子」を旗揚げし、主宰として作・演出を手がける。2006年上演の戯曲『遭難、』により第10回鶴屋南北戯曲賞を史上最年少で受賞。2008年上演の戯曲『幸せ最高ありがとうマジで!』により第53回岸田國士戯曲賞受賞。2011年に小説『ぬるい毒』で第33回野間文芸新人賞、2013年に『嵐のピクニック』で第7回大江健三郎賞、2014年に『自分を好きになる方法』で第27回三島由紀夫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

937
本谷有希子さんの作品は初読だが、大きな驚きはない。本編には様々な要素が含まれるが、それらを無難にまとめあげたという印象。容貌の変移に始まりそれを維持できなくなるといったあたりはシュールな趣きでもあるが、そこに主眼はない。夫婦における役割と関係性の崩壊もまた、小説のテーマであるように見えてそうではない。それでは、漱石の『夢十夜』の第1夜を思わせるメタモルフォースこそが主題を背負うかといえば、これまた違うだろう。では、作品世界は混沌としているのか、といえば実は存外に整然としているのだ。今後の可能性は未知数。2016/01/20

starbro

751
職場の読友に又貸しするために、予定を繰り上げて読みました。本谷有希子、初読です。ここ数年の芥川賞受賞作の中では一番評価出来るような気がします。カフカ的夫婦奇譚という感じです。芥川賞受賞作の「異類婚姻譚」が断トツで「藁の夫」もオススメです。私のように既婚者で夫の立場からすると、本作はホラー的にも読めるかも知れません。芥川賞受賞後第一作も含め、著者の今後の作品にも期待したいと思います。2016/02/09

しんごろ

749
4編による短編集!独特の世界観ですね(^^)表題作『異類婚姻譚』はホラー?ファンタジー?、とにかく頭の上に???がつく感じかな(笑)ただこんなダンナにはなりたくないなと思いました(^^)『藁の夫』もこんな細かすぎなダンナになりたくはないと…思います(^^;)『〈犬たち〉』は大人の童話という感じで面白かったです!登場してくる動物たちの名前にユーモアを感じました(^^)読んで思ったのですが、お芝居で見たい気持ちになりますね(^o^)2016/03/08

遥かなる想い

730
2015年下期芥川賞受賞。 夫婦の不思議を描く。所詮夫婦は他人だが、 長らく一緒に暮らしていると顔が似てくると 昔から言うが、本書を読んでいると頷く箇所が 多く面白い。「男の顔に責任を持て」と言った リンカーンは「夫婦の顔」には何か言ったのだろうか。唐突な終わり方に違和感を感じるが 印象的な本だった。2016/04/29

morinokazedayori

512
★★★表題作の他、3編が収められた短編集。主人公たちの心の澱を表すかのようなどこかねっとりとした独特の雰囲気を醸し出していて、不思議な感覚に陥る。非現実であるはずなのに、あ、そうなのかもと思ってしまう感覚。時間を重ねるにつれ変化していく夫婦の距離感の難しさについて、考えさせられる。2016/05/21

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