踊り子と将棋指し

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踊り子と将棋指し

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  • サイズ B6判/ページ数 218p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062198790
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

公園で目覚めた男は、呑み過ぎか自分の名前すらわからない。やがて、拾ってくれたストリッパーと巡業へ。小説現代長編新人賞受賞作。

ある朝、横須賀のペリー公園で寝ていたところを小犬に起こされた男は、呑み過ぎたせいか、自分の名前すら思い出せない。すぐに犬の飼い主の聖良という女性が現れ、男は「三ちゃん」と呼ばれる。前の晩にいっしょに呑んでいたようだ。三ちゃんがどうやらアルコール依存症らしいとわかり、聖良は同情してマンションの自分の部屋に住まわせてくれるという。依存症の男はインポで安全だからと。聖良の本名は依子といって、現役のストリッパー。「そろそろ干支が回る」とか。二人と一匹のおかしな共同生活がはじまり、三ちゃんは横須賀で主夫を務める。しばらくして、依子に大阪・天満劇場での仕事が入る。三ちゃんも同行することになり、ヒモではまずいので、マネージャー・小田三郎と名乗ることにする。ストリップの踊り子と、「依存症でインポの役立たず」の三ちゃんが、小犬を連れて大阪の旅巡業へ。天満で無難にマネージャー役をこなしていた三ちゃんだったが、劇場の楽屋で暇つぶしに指した将棋が元で、100万単位の金が動く真剣勝負に巻き込まれてしまう。勝負の思わぬ結果に、三ちゃんの正体が見え隠れする。この男はいったい何者なのだ!

内容説明

ある朝、横須賀の公園で目覚めた男は、呑み過ぎたせいか自分の名前すら思い出せない。聖良という女性が現れ、男は「三ちゃん」と呼ばれる。三ちゃんがどうやらアルコール依存症らしいとわかり、聖良の部屋に住まわせてもらうことに。聖良の本名は依子で、現役のストリッパー。しばらくして依子に大阪での仕事が入り、三ちゃんも同行。無難にマネージャー役をこなしていたが、大金が動く将棋の真剣勝負に巻き込まれてしまい…。第10回小説現代長編新人賞受賞作。

著者等紹介

坂上琴[サカガミコト]
1961年、広島県生まれ。京都大学文学部に入学。大学では相撲部に入部し、主将を務める。同大学史学科を卒業後、毎日新聞社に入社。姫路・高松支局を経て大阪本社社会部へ配属に。2012年にアルコール依存症と診断され、断酒治療を受ける。’14年、毎日新聞社を退社し、執筆活動に入る。’15年、『踊り子と将棋指し』で第10回小説現代長編新人賞を受賞しデビューに至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

そうたそ

45
★★★★☆ ある朝呑み過ぎたせいか記憶を失ったまま倒れていた男はストリッパーの女性に拾われる。「三ちゃん」と名付けられ、彼女と同居することになり、やがてマネージャーとして仕事に同行することになるのだが――。特に派手な展開もなく、内容もどこか昭和臭さを感じさせるものなのだが、非常に面白い。作者自身がアルコール依存症の経験があるせいか、その辺りの描き方はリアルだし、ストリップ・将棋関連への造詣も深いのかしっかりと描かれている。デビュー作故、荒削りではあるものの、今後に十分期待できる内容なのではないか。2016/06/13

Syo

31
う〜む。 え〜っと。 もっと早く将棋の話に なるのかと思ったけれど…。 ちょいと読むのが 止まってました。2020/01/23

コジ

31
★★★☆☆ 自身の名前すら思い出せない程のアルコール依存症の男が、奔放な踊り子(ストリッパー)の聖良に拾われて、彼女と共にドサ回している間に自分が棋士であることを思い出し再起を誓う物語。依存症の描写は著者の体験を反映し、将棋のへのリスペクトも感じられる。会話や場面転換のテンポがよく、読み始めるとなかなか止められなくなる不思議な中毒性がある。しかし、昭和の混沌とした匂いがし、良く言えば「大人向け」、ひねくれた言い方をすると「中年男性の願望」的な突拍子もない設定だけに好き嫌いが大きく別れるかもしれない。2018/02/06

R

29
題名の通りの男女が出てくる物語ですが、内容はアルコール依存症というテーマを包含した人情話でした。すらすらと読める面白さと楽しさがありながら、感想というと、なかなかしづらい雰囲気で、何がよかったとか、何かに感動したということよりは、描かれている内容、アルコール依存症により苦難といえる生き方を強いられるという事実といってもいい様子が淡々と描かれていて、それに対してどう想うか、が重要かとも思いつつも、それを問いかけるほど強い調子でもない小説で、楽しみながら、どう自分で考えるべきか、悩んでしまった。2017/08/23

カープ坊や

21
読友様の感想より手に取りました。 単調なストーリーなれど将棋も踊り子さんも好きな私にはナイスな本です。 また作者が広島であるためか、広島で将棋をかじった人間なら誰もが知っているプロ棋士の山崎、道場の席主 本多さんが登場したくだりには驚きと感動が!2016/03/09

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