哲学な日々―考えさせない時代に抗して

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哲学な日々―考えさせない時代に抗して

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062198172
  • NDC分類 104
  • Cコード C0010

出版社内容情報

人生でいちばんだいじなものは何ですか?――日本を代表する哲学者が綴る普段着のエッセイ。「へぇ」も「うふふ」も「なるほど」も。日本を代表する哲学者であり、東京大学での講義でも高い人気を誇る著者は、若い頃から坐禅を続けてきました。坐禅には、「本来無一物」(ほんらいむいちもつ)という考え方があります。丸裸の自分に立ち返ることができれば、そこに十分な力が現われてくる。坐禅をして、着ぶくれた余計なものを脱いでいく――この本を支えているのは、そうした引き算の思想です。

前半は、著者の普段着の姿や考えが綴られた50のエッセイを収録しました。
哲学の授業で何を学べばいいのかから始まり、東大生に坐禅を教えるのはなぜか、そして哲学者の日常に起こるさまざまなことが描かれます。
読んでいて思わず口をついて出てしまうのが、「へぇ」とか「うふふ」とか「なるほど」ということば。気楽に読み進めるエッセイですが、そうやって読みすすめるうちに自然と頭のこわばりが解けていきます。
坐禅してみたいと思う人も注目! 坐り方や呼吸のレッスンもあります。

後半は、論理的な文章を書くためにはどうすればいいのか、異なる物語を生きる他者を理解するとはどういったことかなどに触れた10本の小品から構成されます。来し方をたどるとともに、言葉で考えていく実際の様子を伝える「「哲学者になりたいかも」などと考えている高校生のために」、また驚きから始まる哲学の原風景を語った「バラは暗闇でも赤いか?」は、哲学ではどのように思考が重ねられていくのかが見えてきます。

自分のこと、社会のこと、国のこと、世界のこと……、考えなくてはいけないのに、考えようとすると、どう考えたらいいかわからなくなって、前に進めなくなってしまう。考えあぐねてしまう。――こんな時代だからこそ、哲学者は、しかつめらしい言葉を使わずにこの本を書きました。人生で一番大切なものは何か、どうして自殺をしてはいけないのか、など、むずかしいけど、実は私たちが気になって仕方ない問いからも逃げずに、向かい合います。
ここに「ああすればこうなる」式のマニュアルや成功の技術はありません。でも、この本を読み終えたとき、知らぬ間に身につけてしまった鎧から解放され、本来無一物ゆえの力が宿るのです。

1 哲学者のいる風景
1 哲学を教える   2 実技科目なのだ
3 哲学の手触り   4 メタ的な態度
5 立ち止まる脚力  6 バージョン・アップ
7 個別性と一般性  8 案外ダメな授業
9 理系・文系・妄想系 10 高校と大学
11 坐禅ゼミ      12 引き算の思想
13 坐禅のすすめ   14 続・坐禅のすすめ
15 がまんではない  16 すべてはおまけ
17 根拠なき自信   18 身を捨ててこそ
19 大仏の話     20 神だのみ
21 散歩の定義    22 古代のご飯
23 美食の逆説    24 ジムと温泉
25 老いる       26 聞いた話
27 よく分からない  28 大学の気風
29 速さの罪      30 ドレス・コード
31 論トレことはじめ  32 論理的ということ
33 つなぎ方しだい   34 接続詞と日本人
35 論理の必要性   36 文章修業
37 入試問題      38 語学としての国語
39 作りたい教科書   40 国語を教える
41 ほめるのではなく  42 遊び友だち
43 考えさせない時代  44 考える技術
45 掛け声化       46 哲学の言葉
47 歩みをこそ      48 脳神話への叛旗
49 もやもや→すっきり 50 つまらない人間
2 哲学も、哲学じゃないことも
バラは暗闇でも赤いか?
論理的に書くために
「哲学者になりたいかも」などと考えている高校生のために
哲学の見本
無意味ではあるけれど
モヤモヤを飼い、モヤモヤと遊び、モヤモヤを楽しむ
ポリフォニー的な世界      ほか


野矢 茂樹[ノヤ シゲキ]
著・文・その他

内容説明

考えることが許されない。考えないことも許されない。そんな時代に、哲学者が普段着で語り出す。へえ。うふふ。なるほど!

目次

1 哲学者のいる風景(前口上;哲学を教える;実技科目なのだ;哲学の手ざわり;メタ的な態度 ほか)
2 哲学も、哲学じゃないことも(バラは暗闇でも赤いか?;論理的に書くために;「哲学者になりたいかも」などと考えている高校生のために;二つの授業風景;哲学の見本 ほか)

著者等紹介

野矢茂樹[ノヤシゲキ]
1954(昭和29)年東京都に生まれる。東京大学大学院博士課程単位取得退学。北海道大学助教授などを経て、東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻は哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

60
サブタイトル「考えさせない時代に抗して」に惹かれて読んでみた。なかなかどうして、面白い・・・面白いと興味深いの中間くらいだ。今の時代は、ますます考えさせない方向に向かっていると思うし、考えなくていい・・つまり、今、この瞬間だけの時代になってきていると感じている。考える、自分の頭で考える、体で感じる、ここができないと、一体どうなるのかということ。そんな中で「掛け声化」という一文が、それを明確に表している。それに抗わなくてはいけないのだ。2016/08/16

Nobuko Hashimoto

38
新聞連載のエッセイなどを収めた短文集。堅苦しくなく、柔らかくて優しい文章。著者は哲学は「実技科目」だという。自ら、簡単に答えの出ない問題に答える実演をする。それを見て学生も一緒に考えるのである。私は哲学者ではないが頷ける。論理的な文章を読み書きすることを学ぶ必要性、学生からの質問に次の授業の前半を使って答えるサイクルを取り入れたことにも共感。そういうスタイルは学生から歓迎される一方で、少数から「教えてもらってない」というような不満が出ることもあり、悩んでいたところ。おおいに励まされた。2016/06/13

踊る猫

36
日本の哲学者(哲学研究者、ではない)にはファニーな人が多い。中島義道、土屋賢二、永井均。しかし野矢茂樹という、ファニーとは遠そうにスマートに振る舞っている人物も実はなかなかの曲者のようだ。頭に頼らず、しかしカンに頼る。そして身体感覚を信頼して、閃きが訪れるのを待つ。この本でゴリゴリの理論が進行することを期待してはいけない。語られているのはむしろ、考えるということを本質的に語ったらこうなったという、マギー司郎のマジックのようにさり気なくしかし深い哲学の真髄だ。本書を片手に公園に行き、空気を吸いつつ考察したい2020/06/18

おさむ

36
東大哲学教授のエッセイ。身構えましたが、作者の性格がにじみ出る親しみやすい語り口でした。文章術を説く「論理的に書くために」が一番好きです。2015/12/31

はるわか

32
根拠のない自信は強い、なんたって根拠がないんだから、誰も覆せない。ただ坐る、ただ深く呼吸をする。論理的:言葉と言葉のつながり。論理:知識や考え方を共有していない外部に向けて発信できる強靭な言葉。考えるために少し情報を遮断しなければならない。考えることは答えに向けて飛躍すること、論理は可能なかぎり飛躍をなくすこと、論理は閃きなしでもやれるところを担当する。一般的な学問は「はてな」で始まり「なるほど」に至る、哲学は「もやもや」から始まり「すっきり」を求める。書くこととは読んでもらうこと。2016/11/15

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