ふたり―皇后美智子と石牟礼道子

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ふたり―皇后美智子と石牟礼道子

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  • サイズ B6判/ページ数 300p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062197083
  • NDC分類 288.44
  • Cコード C0095

出版社内容情報

戦後の清算として水俣へ慰霊にでた天皇と美智子皇后。現地で迎えた作家・石牟礼道子。水俣病を通して理解しあう二人に起きた「奇跡」2014年の歌会始で天皇が詠んだ一首。
慰霊碑の先に広がる水俣の 海青くして静かなりけり

2013年10月、「全国豊かな海づくり大会」のため水俣をはじめて訪れた天皇皇后にとり、その旅は大会への参加以上に、戦争にひきつづき果たしてきた日本の惨禍への慰霊が目的だった。水俣でおきた『奇跡』――、天皇の政治利用と非難されることを自ら覚悟のうえで、渋る宮内庁幹部を動かし、極秘のうち実現した天皇皇后と胎児性患者や語り部の会11人との面会。それは美智子皇后と作家・石牟礼道子、「ふたりのみちこ」の深い絆によりもたらされた。
作家・池澤夏樹氏が個人編集し大評判をよんだ『世界文学全集』の中で、日本作品から唯一選ばれたのが、石牟礼道子の『苦海浄土』(講談社文庫)だった。本を通して深い信頼関係を築いた「ふたりのみちこ」が、半世紀以上にわたり水俣病と向きあった人々からの「許し」を得るまで。その過程には、水俣病の原因をつくったチッソの社長が雅子皇太子妃の祖父だったという、乗り越えなければならない複雑な経緯もあった。
東京で、水俣で、深く意志を交錯させたふたり。パーキンソン氏病をわずらい闘病中の石牟礼道子は、天皇皇后に面会する患者代表にこう伝言したという。「天皇陛下に伝えてください。大会で放流したヒラメは、もう水俣病になりませんか?」
1965年に熊本の同人誌で知り合って以来、水俣病に石牟礼とともに取り組んできた作家・渡辺京二が語る、政府と公害企業との闘争史も興味深い。

序 章 天皇の言葉
第1章 二人のミチコ
第2章 会いたい
第3章 精霊にみちびかれて
第4章 もだえ神様
第5章 闘う皇后
終 章 義理と人情


高山 文彦[タカヤマ フミヒコ]
著・文・その他

内容説明

天皇皇后、言霊の海へ。水俣病患者との歴史的対話。そこには数々の秘められたドラマがあった。皇后美智子と石牟礼道子の魂の交感、渡辺京二の愛と献身、祈りのこけしの行方とは―。戦後70年、水俣は癒されたのか。

目次

序章 天皇の言葉
第1章 ふたりのミチコ
第2章 会いたい
第3章 精霊にみちびかれて
第4章 もだえ神様
第5章 闘う皇后
終章 義理と人情

著者等紹介

高山文彦[タカヤマフミヒコ]
1958(昭和33)年、宮崎県高千穂町生まれ。法政大学文学部中退。2000(平成12)年、『火花 北条民雄の生涯』で、第二十二回講談社ノンフィクション賞、第三十一回大宅壮一ノンフィクション賞を同時受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

71
2013年10月27日、天皇・皇后両陛下の水俣初訪問。本書第1章の「ふたりのミチコ」には、ここに至る皇后と『苦界浄土』を著した石牟礼さんの心の交流が記されている。水俣訪問において、両陛下は水俣病患者と極秘に面談し(後に公になる)、「今後の日本が、自分が正しくあることができる社会になっていく、そうなればと思っています。みながその方向に向かって進んでいけることを願っています」とお言葉をかけられている。皇太子妃雅子の母方の祖父は、水俣病の被害を出したチッソの会長であり、両陛下にとって、水俣病に苦しむ患者に心を痛2016/07/17

keroppi

66
テレビでは、新しい年号の発表に向けてカウントダウンが始まっている。平成の世に生きた石牟礼道子、皇后美智子、ふたりのミチコと水俣病の戦いに関わった人々を通して、怒りと鎮魂と祈りが綴られる。天皇皇后両陛下の水俣訪問がいかに異例づくめであったのか。「真実に生きることができる社会」「みながその方向に向かって進んでいけることを願っています」天皇の言葉が胸にささる。皇后美智子と石牟礼道子の心の響き合い。しかし、決して終わっていない現実。もう間もなく新しい時代が始まろうとしている。さらなる真実の時代の到来を期待して。2019/03/31

きいち

46
いま読めてよかった。多くの人に強く薦めたい。◇天皇皇后の水俣訪問のニュースは確かに覚えている。語り部の方からじっくりと話を聞かれたと。でも、その時間が、いかに真情あふれる異例のものだったかをはじめて知る。そしてその時間の価値は「これまで」を知ってはじめてわかるもの。長く孤独な戦い、胎児性患者のいま、決して終わっていない行政(それは、すでに水俣は解決済みと考えてしまっている我々のことでもある)の冷たさ。導くのは石牟礼道子、また渡辺京二。義理と人情を根において、ベストではなくベターを追求する営み。本当に尊い。2019/01/20

らぱん

36
大仰でもなく扇情的でもなく誠実に書かれたノンフィクションだった。天皇皇后を始めとする皇族には基本的人権がない。その意味を改めて考える。国や会社が肥大化とともに組織の維持に腐心するのは仕方がないのだろうか。制度や組織に属す側の人間も嬉々として従っているわけではないだろう。石牟礼道子が問うのは、生きていく哀しみのようなものだと思っている。わたしたちはどう生きるか。昨年2018年に石牟礼道子が亡くなり、平成は間もなく終わる。この本が水俣病や「苦海浄土」や石牟礼道子への興味に繋がってくれたらと願う。↓2019/04/19

ぐうぐう

35
水俣病における胎児性患者は、生まれながらにして声を発することすら困難であることが多い。皇后美智子は、皇室ゆえに政治的・社会的意思を表に出すのを抑制される、言わば発言を制限された立場である。境遇も立場も異なる両者は、言葉をもがれている点で共通している。そんな両者が、水俣の地で出会う。両者を引き合わせたのは、石牟礼道子の存在だ。『苦海浄土』において、水俣病患者の声なき声を掬い取り、巫女のように言葉にした道子だからこそ、言葉をもがれた両者を引き合わすことができたのであろう。(つづく)2019/04/01

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