香港パク

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062196765
  • NDC分類 929.13
  • Cコード C0097

出版社内容情報

もっともノーベル文学賞に近いアジアの作家、李承雨文学の傑作、中短編集。日常が神話となり、神話が日常になる、その恐るべき世界観冷酷な現実を舞台にした8篇の“神話”。
待望の邦訳、江國香織さん賞嘆!
「人間を知るには、彼の作品を読めばいい」とノーベル賞作家ル・クレジオに評される韓国人作家、李承雨。本書は彼の代表作である短編集。八篇を通じて神話のダイナミズムを基調にした「人生という過酷な迷宮」が描かれ、それぞれに鮮やかな結末が用意されている。「生きることのミステリー」を存分に味わえる、〈東アジア文学〉の傑作。

目次
「香港パク」
「宣告」
「首相は死なない」
「迷宮についての推測」
「白い道」
「太陽はどのように昇るのだろうか」
「日記」
「洞窟」
あとがき
訳者解説


李 承雨[イ スンウ]
著・文・その他

金 順姫[キム スニ]
翻訳

内容説明

“脱文学化”する世界へ、東アジア発純文学の逆襲。ゴシップか、神話か、衝撃の8つの物語。

著者等紹介

李承雨[イスンウ]
1959年、韓国全羅南道長興で生まれる。1981年、『エリュシクトンの肖像』で「韓国文学」新人賞を受賞して作家デビュー。大山文学賞、黄順元文学賞、東西文学賞、東仁文学賞を受賞。『生の裏面』を初めとした主要作品が、フランス、イギリス、ドイツ、ロシア、日本などで翻訳刊行されている。現在、全羅南道にある朝鮮大学の文芸創作科で小説創作を教えている

金順姫[キムスニ]
大阪市生まれ。関西学院大学文学部卒業。東洋大学にて『源氏物語研究』で博士学位取得。梨花女子大学通訳翻訳大学院兼任教授を経て、現在、韓国文学翻訳院アカデミー日本語科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナハチガル

11
8篇中4篇で挫折。A-・B・B・B+。ひとつめの『香港パク』の訳文でひっかかったが、後はすんなり読めた。妙に既読感がある。訳者あとがきにあげられている、作者が糧にしているという世界文学、ドストエフスキー、ボルヘス、カフカなどもうなずけるが、個人的には安倍公房っぽいと思った。この作者の作品を読み続けるより、安倍公房や大江健三郎やボルヘスの未読作品を読みたくなった。重く、暗く、息苦しく、出口がない。嫌いじゃないけど、若い頃に読んだ方がいいと思う。作者のあとがきは訳文とはいえ名文。あとがきはA+。B。2015/12/08

グラスホッパー

7
訳者解説より「李承雨は超越という形而上学的主題を執拗に穿鑿する作家として認識されている」ありふれた日常から、心の深いところに立っているような印象だった。 逃避した村で過ごす「白い道」。太陽を昇らせる能力のある呪術師が出てくる「太陽はどのように昇るのだろうか」。拘置所に面会に行く「日記」。アフリカの作家の本と自分を重ねた「洞窟」がよかった。特に「洞窟」のラストは、カタルシスだった。10年後にまた読み返したい。2020/05/31

Apollo

4
「自分の苦痛が特別で大変なもののように大げさに言う態度は自分自身には慰めになるかもしれませんが、他人による慰安を得ることはできません」 権力構造と経済格差から生まれた社会の歪みの中に埋もれるようにして生きている人々。彼らに自己憐憫やコンプレックスは感じられず、ただ確かな存在感が余韻として残った。少し時間が経ってから再読したい短編集だった。2017/11/05

チェアー

3
人間を超えたものや、自分を支配しようとするものにどう対抗すればいいのかを考させられる小説群。2016/02/17

渡邊利道

2
カフカ、ボルヘス、そしてどこか村上春樹を思わせるところのあるいかにも現代的な短編集。テクニカルで真摯で、実存に鋭角的に幻想の刃で切り込んでくる感じ。メタフィクション的だったりファンタジーふうだったり文学そのものを題材にした作品がけっこうあるが、表題作がプロレタリア文学的で私的にはベスト。これはきっと韓国文学に私が求めているのがより強い「現実」だからだろうなあ。2017/07/11

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