典獄と934人のメロス

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典獄と934人のメロス

  • 坂本 敏夫【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 講談社(2015/12発売)
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  • サイズ B6判/ページ数 355p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062196758
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

これは、刑務所長がまだ「典獄」とよばれていた時代、関東大震災の渦中で究極の絆を結んだ人々の「奇跡の物語」である。一瞬にして帝都を地獄に変えた関東大震災。横浜刑務所の強固な外塀は全壊、さらに直後に発生した大規模火災が迫ってきた。はからずも自由を得た囚人に与えられた時間は24時間! 帰還の約束を果たすため身代わりになった少女は、大火災と余震が襲い流言飛語が飛び交う治安騒擾の悪路40キロを走る……これは、刑務所長がまだ典獄とよばれていた時代、関東大震災の渦中に、究極の絆を結んだ人々の奇跡の物語である。

著者・坂本敏夫からのメッセージ

私が横浜刑務所に人知れぬ謎があると知ったのは、昭和四十六年十二月のことだった。当時の刑務所長・倉見慶記を訪ねたときに彼は私にこう言った。
「関東大震災と第二次世界大戦中の記録すべてがなくなっている。戦争関係のものは、本省の行刑局長ら高官が戦犯としてGHQから逮捕されるのを免れるために、全刑務所に焼却等の処分を命じて証拠を隠滅したものだ。戦争の記録がないのはわかるが、関東大震災当時の記録がないのは合点がいかない。一人職員を紹介するから話を聞いてみるか」
そうして倉見が紹介してくれたのが、横浜拘置支所の刑務官・山岸妙子だった。本書に登場する福田サキの長女である。
そして翌昭和四十七年二月、妙子の母・つまりサキ本人を横浜の自宅に訪ねた。老齢のサキは物静かだったが、穏やかな笑みを浮かべて、刑務所に駆け込んだ体験を語ってくれた。

平成六年三月、私は刑務官を辞職した。小説家になりたいという長年の夢を叶えようと勉強をはじめたのだ。本書の上梓までにじつに三〇年余かかった。つまり私のライフワークとなったのである。

序章 十一時五十七分、東南見張り哨舎
第一章 獄塀全壊
ネズミの大移動 大地震発生 十二時十分、第六工場 南風 司法省行刑局 横浜ハ大震災ニシテ今ノトコロ全滅ト思ハル 火災発生 解放断行 
第二章 少女悪路を走る
無実の囚人 身代わり 大桟橋 朝鮮人を引き渡せ 天使降臨 囚人自治 米一粒たりとも 
第三章 囚人、横浜港へ
知事からの信書 喝采 視察調査 典獄を孤立させよ 工作 
第四章 典獄の条件
看守と女学生 立ち上がる囚人 看守の反乱 典獄の手紙 黄金の繭 海軍カレー 司法省大臣室
終章 解放囚の奇跡
二人の典獄 媒酌人 後日談
あとがき
主な参考文献


坂本 敏夫[サカモト トシオ]
著・文・その他

内容説明

一瞬にして帝都を地獄に変えた関東大震災。横浜刑務所の強固な外塀は全壊、さらに直後に発生した大規模火災が迫ってきた。はからずも自由を得た囚人に与えられた時間は二十四時間!帰還の約束を果たすため身代わりとなった少女は、大火災と余震が襲い流言蜚語が飛び交う治安騒擾の悪路四〇キロを走る…。著者が三〇年かけて発掘した、関東大震災の真実。

目次

序章 十一時五十七分、東南見張り哨舎
第1章 獄塀全壊
第2章 少女、悪路を走る
第3章 囚人、横浜港へ
第4章 典獄の条件
終章 解放囚の奇跡

著者等紹介

坂本敏夫[サカモトトシオ]
1947年生まれ。法政大学中退。67年大阪刑務所刑務官に採用される。以後、神戸刑務所、大阪刑務所係長、法務省事務官、東京拘置所、黒羽刑務所などで課長を歴任。94年広島拘置所総務部長を最後に退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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マエダ

100
関東大震災により横浜刑務所は全壊、36歳の若き典獄(監獄長)は1000人の囚人達の身を案じ「解放」を宣言する。凶悪な囚人達を「解放」という名の24時間の自由を与えることがどれ程の決断なのか、典獄や看守と囚人たちの信頼関係はすごい世界であり読んでいて熱くなるものがある。若き典獄に対する周りのジェラシーや囚人達一人一人の物語は涙ものであり濃厚ノンフィクションであった。2016/04/20

Bugsy Malone

76
関東大震災で塀も建物も倒壊した横浜刑務所に於て、囚人934人の24時間の解放を決断した典獄(刑務所長)椎名通蔵。椎名や刑務官の信頼に囚人達はどう応えたのか。実話であるにもかかわらず、デマや外交問題の為に一切の記録を歴史の闇の中に消しさられた、とてつもない美談でした。災害の多発する今日、出来すぎた話だと一笑に付せず、真摯にうけとめる価値のある本でした。2017/07/23

おかむら

44
関東大震災当時の横浜刑務所。地震で全壊さらに火災で延焼。刑務所長は囚人千人の24時間解放を決断する。果たして囚人らはちゃんと戻ってくるのか! 男たちの熱い物語。事実に基づく系のノンフィクション風小説。東京だけでなく横浜もこんなに甚大に被災してたんだーとその辺だけでも興味深い。ただなんつーか、作風が百田尚樹ぽいっつーか、文章の調子が感動させたがーりーなのが、ちょい惜しい。でもこの話は映画化したら盛り上がりそうだなー!2016/04/21

いちろく

29
解放なのか?脱獄なのか?関東大震災時の非常時の措置として解放された横浜刑務所。心ない人達も居れば、手を差し伸べる人達もいる。震災直後の混乱の中、信頼という名で結ばれた典獄椎名と横浜刑務所の関係者の皆さんに頭が下がる。記録から消えた震災時の横浜刑務所の事実を追った著者によるノンフィクション。2016/04/23

Ayumi Katayama

20
第二十二条 天災事変ニ際シ監獄内ニ於テ避難ノ手段ナシト認ムルトキハ在監者ヲ他所ニ護送ス可シ 若シ護送スルノ遑ナキトキハ一時之ヲ解放スルコトヲ得 解放セラレタル者ハ監獄又ハ警察官署ニ出頭ス可シ 解放後二十四時間内ニ出頭セサルトキハ刑法第九十七条ニ依リ処断ス2019/11/27

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