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道徳の時間

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  • サイズ B6判/ページ数 366p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062196673
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「道徳の時間を始めます。殺したのはだれ?」第61回江戸川乱歩賞受賞作!

【第61回江戸川乱歩賞受賞作】問題。悪い人は誰でしょう?――ビデオジャーナリストの伏見が住む鳴川市で、連続イタズラ事件が発生。現場には『生物の時間を始めます』『体育の時間を始めます』といったメッセージが置かれていた。そして、地元の名家出身の陶芸家が死亡する。そこにも、『道徳の時間を始めます。殺したのはだれ?』という落書きが。イタズラ事件と陶芸家の殺人が同一犯という疑いが深まる。同じ頃、休業していた伏見のもとに仕事の依頼がある。かつて鳴川市で起きた殺人事件のドキュメンタリー映画のカメラを任せたいという。十三年前、小学校の講堂で行われた教育界の重鎮・正木の講演の最中、教え子だった青年が客席から立ち上がり、小学生を含む300人の前で正木を刺殺。動機も背景も完全に黙秘したまま裁判で無期懲役となった。青年は判決に至る過程で一言、『これは道徳の問題なのです』とだけ語っていた。証言者の撮影を続けるうちに、過去と現在の事件との奇妙なリンクに絡め取られていくが、「ジャーナリズム」と「モラル」の狭間で、伏見はそれぞれの事件の真相に迫っていく。

【著者紹介】
呉勝浩(ご・かつひろ)
1981年青森県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。現在、大阪府大阪市在住。本作『道徳の時間』で、第61回江戸川乱歩賞を受賞する。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

180
江戸川乱歩賞受賞作はコンスタントに読んでいます。呉勝浩は当然ながら初読です。タイトル、ストーリー展開は面白く一気読みしましたが、文章が荒削りなのと構成が今一なのが今後の課題でしょうか?次回作以降に期待したいと思います。それにしても出版社、主催者の圧力のせいでしょうか?最近受賞作なしの文学賞がないのが気になります。2015/09/18

風眠

140
地方都市で起こった連続事件。現場に残された「生物の時間を始めます」「体育の時間を始めます」と書かれたメモ。そして地元の陶芸家の死。そこにも「道徳の時間を始めます。殺したのはだれ?」という落書きが。さらに13年前の殺人事件。完全黙秘を貫いた犯人は「これは道徳の問題なのです」とだけ語った。現在と過去とのリンク、発想は抜群にいいと思う。しかし、これが受賞に値するかは疑問に思う。無駄に繰り返しが多いのと、登場人物が誰と会話しているのか分からないので、物語に乗れない。選評を読んで、プロの目は節穴ではないと安心した。2016/05/17

あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

135
著者初読みは、デビュー作にして第61回江戸川乱歩賞受賞作。「これは道徳の問題なのです」とのみ語り、あとは完全黙秘を貫いて懲役15年の判決を受ける向晴人。「道徳」とは、法律とは異なり社会が決めた不文律の規範であるだけに、その受け止めは様々。ミステリ要素としての引き付けも十分だけど、ただ、内容を自分で理解できたようなできていないようなで、消化不良気味。うん、きっと理解できてないんだろうな。迫力、臨場感のある描写はもう言うことなし!あとは自分が作者の思いに追い付けなかったことだけが残念でならない。2021/01/14

いつでも母さん

135
本当に悪いのは誰?長かった。それが読了後の一番の感想。途中まで何度も手を止め、読了に3日かかってしまった(まぁ。併読の所為もあるけれど)この着地点はどこに落ち着くの?と、とちょっとだけ苛々してしまった。が、ラストに近づくにつれ父親として、なかなかに息子と良い関係だと思った。が、もう一つの方は犯人は分かってしまうのだが、なんだかなぁだった。『教師が聖職者』だったのはいつ頃までだったのだろう?先生も・親さえも男の醜さを晒し、その犠牲になったかつての少女=自分。その復讐か・・まさしく長い『道徳の時間』だった。2015/10/08

スパシーバ@日日是決戦

125
B (2015年) [2015年 第61回江戸川乱歩賞] 名家の長男(陶芸家)の死。自宅に残されていたメッセージ「道徳の時間を始めます。殺したのはだれ?」。ドキュメンタリー映画のカメラ担当の仕事を依頼された主人公は、13年前同じ市内の小学校での講演中に男性が殺された事件で、動機や背景につき一切語らず、無期懲役で服役中の男が唯一証言した「これは道徳の問題なのです」との関連。動機云々はとやかく言わない(何でもあり!のスタンスなので)。謎も設定も魅力的で惹き付けられた。2016/01/02

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