虚構の法治国家

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虚構の法治国家

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  • サイズ B6判/ページ数 212p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062189873
  • NDC分類 327.13
  • Cコード C0036

出版社内容情報

初めて暴かれた「法権力」中枢の不正義! 著名冤罪事件を取り上げ、元検事と元裁判官が「権力の犯罪」に斬り込む。初めて暴かれた「法権力」中枢の不正義!

過去の著名冤罪事件と、2014年の岐阜県美濃加茂市長事件を取り上げ、元検事と元裁判官が「権力の犯罪」に斬り込む。

私は、日本の裁判所の基本姿勢は、社会一般から批判を受けるような事態になるまでは冤罪にはぎりぎりまで目をつぶる、そして、裁判所までが批判の矢面に立たされそうになったら、捜査機関のせいにして冤罪を認めるというものだと考えています。だから、裁判所が「捜査機関の証拠のねつ造」を理由に冤罪を認めても、その真意は別のところにあることを知っておく必要があるでしょう。――森炎「第二章 対談2 冤罪を再生産する法権力のメカニズム」より

検察の意思決定システムで一度行った判断が誤りであった場合、その誤りを認めて「引き返すこと」が社会全体に生じる損失を防ぐことになる。しかし、検察組織では、その時点の幹部の責任回避のために個人や社会に重大な不利益を生じさせるような判断が行われることを防ぐシステムが機能しない。検察のガバナンスの重大な欠陥です。――郷原信郎「第四章 対談4 美濃加茂市長事件考える裁判所と検察」より

第一章 対談1 「巨人」=検察と「寄生虫」=裁判所の異様な関係
検察にもたれこむ裁判所
「見事な有罪判決」が裁判官のプライド
検察官一流、裁判官二流
ほか

第二章 対談2 冤罪を再生産する法権力のメカニズム
冤罪支援運動はすべて間違いだと思っていた
捜査の破綻をわかったうえで死刑判決を下す
裁判長がみな意図的に死刑にしているという戦慄
無罪証拠を消せ――能力と腕の見せどころ
東電OL殺害事件と陸山会事件の奇妙な因縁
ほか

第三章 対談3 相次ぐ不祥事で崩壊した「検察の正義」
検察vs.小沢一郎の5年戦争
ストーリーを変えず、証拠を合わせる
見込み違いの方針変更は検察の「大失態」
検察の「真実」と食い違う証拠を開示しない
「思い上がり」が起こす「改ざん」
ほか

第四章 対談4 美濃加茂市長事件から考える裁判所と検察
ヤミ司法取引の疑い
退官や異動で検察幹部の責任は問われず
裁判所は「検察の暴走」を止められるか?
ほか

まえがき 森 炎
第一章 対談1 「巨人」=検察と「寄生虫」=裁判所の異様な関係
第二章 対談2 冤罪を再生産する法権力のメカニズム
第三章 対談3 相次ぐ不祥事で崩壊した「検察の正義」
第四章 対談4 美濃加茂市長事件から考える裁判所と検察
あとがき 郷原信郎


郷原 信郎[ゴウハラ ノブオ]
著・文・その他

森 炎[モリ ホノオ]
著・文・その他

内容説明

初めて暴かれた「法権力」中枢の不正義!元検事×元裁判官、「美濃加茂市長事件」を斬る。

目次

第1章 対談1―「巨人」=検察と「寄生虫」=裁判所の異様な関係(検察にもたれこむ裁判所;「見事な有罪判決」が裁判官のプライド ほか)
第2章 対談2―冤罪を再生産する法権力のメカニズム(冤罪支援運動はすべて間違いだと思っていた;日本の冤罪は過失ではない ほか)
第3章 対談3―相次ぐ不祥事で崩壊した「検察の正義」(特捜検事たちの犯罪;捜査するために容疑を見つけ出す ほか)
第4章 対談4―美濃加茂市長事件から考える裁判所と検察(市議時代の30万円の収賄事件で現職市長を逮捕;同席者も一貫して「現金授受は見ていない」 ほか)

著者等紹介

郷原信郎[ゴウハラノブオ]
1955年島根県生まれ。東京大学理学部卒。東京地検特捜部、長崎地検次席検事、法務省法務総合研究所総括研究官などを経て弁護士。組織のコンプライアンス問題の第一人者として知られ、不祥事企業の第三者委員会委員長の経験も豊富

森炎[モリホノオ]
1959年東京都生まれ。東京大学法学部卒。東京地裁、大阪地裁などの裁判官を務め、現在は弁護士として活動。裁判官時代には、官民交流で、最高裁から民間企業に派遣され、1年間、三井住友海上火災保険に出向勤務した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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こも 零細企業営業

23
元検察官、元裁判官の両氏が対談。容疑者はまだ犯罪者では無いなのに、世間では犯罪者と同じ扱いにされてしまう。それは検察が起訴したら有罪率99.9%になる事から裁判は検察側の意向が効いており、裁判官も検察に唯々諾々と従っているだけ。それを村木厚子氏の冤罪で判明した「大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件」。小沢一郎氏の陸山会事件の「虚偽捜査報告書問題」。そして、美濃加茂市市長の賄賂事件の供述の信用性などを例にして説明されてた。 無罪でも有罪だと決め付けられたら有罪な日本って怖い。2020/09/09

ネコ虎

6
韓国の司法を笑えない。虚構の法治国家日本の恐ろしさがここにある。特捜検察の不祥事で検察の権威はかなり落ちたが、裁判官は(左翼裁判官を除き)まだ信用できると思っていた。しかしこの本で裁判官の威信も打ち砕かれた。戦前から検察官一流、裁判官二流は今も続いているという。検察の作ったストーリーに合わせて判決する裁判官。無罪の心証があっても有罪とする裁判官。組織内裁判官は評価や出世のため普通のサラリーマンと変わらず、上司やメンツを重んじる組織の論理に従い冤罪作りも厭わない。裁判官は冤罪を何とも思わない犯罪者といえる。2016/12/27

aochama

2
元裁判官と元検察官が、著名な冤罪事件を検察の歴史的側面も交えて原因分析するとともに、2009年以降に発生し検察への信頼が失墜した2つの事件を深く検討し、舌鋒鋭く刑事司法の闇を照らし出しています。その後に発生した美濃加茂市長事件でも体質が変わっていないことも指摘しています。裁判所に検察官がもたれこんでいたら、有罪率99パーセントになりますね。睨まれたら終わり。その一方では冤罪が。裁判員制度や検察審査会制度で司法への市民参加が促され、よい方向に変化してほしいと願わざるを得ません。2016/12/31

Happy Like a Honeybee

2
わずか30万円の収賄事件で現役市長を逮捕など、歴代の冤罪を裁判所と検察の専門家が対談した書物。 戦後の内務省解体で特高や憲兵隊は完全解体、組織消滅される中検察官は34名が公職追放されただけ。裁判官は法を適用したと言う理屈で切り抜け処分者ゼロ。つまり日本の法権力はほぼ無傷であり、戦前戦後は実質的に継続している。思想弾圧の名残があるようだ。2015/03/08

ネコ

0
つくづく、日本は人権を尊重しない国だと思います。 お上は常に正しく、間違えないという意識が根強いのでしょうか。長いものには巻かれろというのが、日本人の体質をよく表していますね。 民間企業の不祥事などは徹底的に叩くくせに、国や官に対しては生ぬるい対応で終わってしまうマスコミも情け無い。2016/08/09

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