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夜は終わらない

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  • サイズ A5判/ページ数 522p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062189668
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

殺される者の最期の語りが鬼気迫るリアルさと幻想さで、我々を頂点まで押し上げてくれる現代の千夜一夜物語。

婚約者が自殺したとの一報が入った玲緒奈。千住警察署で悲しみにくれる彼女には、次に殺さなくてはならない別の婚約者がいた。セックスや結婚を餌に次々男を惑わし、財産を巻き上げ、証拠を残さず葬り去るのが日常なのである。そんな玲緒奈には不思議な癖があるのだった。
「生きてる意味があることを証明しないと。ね? 私が夢中になれるようなお話をしてよ」
あの世に送る前、男に語らせるのだ。それは、生い立ちでも、創作した話でも構わない。面白いかどうか、で命の長さが決まっていく。最期の気力を振り絞り話を続ける男たち。鬼気迫るストーリーが展開され、物語のなかの登場人物がまた別の話を語り始めたり、時空を超えた設定のなかにリアルなものが紛れ込んだり……全体の物語のなかにさまざまな短篇が入りくみ、海へと流れる大河として眺望できる大傑作。

【著者紹介】
1965年、アメリカ・ロサンゼルス市生まれ。88年、早稲田大学卒業。新聞社勤務後、メキシコに留学。97年、『最後の吐息』で第34回文藝賞を受賞しデビュー。2000年、『目覚めよと人魚は歌う』で第13回三島由紀夫賞、03年、『ファンタジスタ』で第25回野間文芸新人賞、10年、『俺俺』で第5回大江健三郎賞を受賞。他の著作に『毒身温泉』『ロンリー・ハーツ・キラー』『アルカロイド・ラヴァーズ』『在日ヲロシア人の悲劇』『虹とクロエの物語』『われら猫の子』『植物診断室』『無問道』『水族』などがある。

内容説明

婚約者が自殺したとの一報が入った玲緒奈。しかし彼女には、次に殺さなくてはならない別の婚約者がいた。セックスや結婚を餌に次々男を惑わし、財産を巻き上げ、証拠を残さず葬り去るのが日常の玲緒奈には不思議な掟があるのだった。「ね?私が夢中になれるようなお話をしてよ」死の直前、男に語らせる話の内容で命の長さが決まっていく。最期の気力を振り絞り話し続ける男たち。鬼気迫る物語が展開され、すべては一点へと…。

著者等紹介

星野智幸[ホシノトモユキ]
1965年、アメリカ・ロサンゼルス市生まれ。88年、早稲田大学卒業。新聞社勤務後、メキシコに留学。97年、『最後の吐息』で第34回文藝賞を受賞しデビュー。2000年、『目覚めよと人魚は歌う』で第13回三島由紀夫賞、03年、『ファンタジスタ』で第25回野間文芸新人賞、10年、『俺俺』で第5回大江健三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

53
『俺俺』に次いで、2作目読了。『俺俺』は俺俺俺俺俺で埋もれて己の存在が消えていくような物語だったが、本作は夜の間だけ語る“物語”の中に、読者を放り投げるカオスに満ちたものだった。物語の中に物語があり、みな面白くもない物語である。「人面瘡」はまだいい、「カワイルカ」「聞いたら二度と戻れない物語」「日常演劇」「ジン」「ジンナ」「ミロンガを探して」「アルフォンシーナと海」「フュージョン」など、書き損じた短編をいくつか並べたみたい。ぐーっと引き寄せる面白い物語が欲しい。500余頁を読む時間が徒労に終わる。2015/02/15

ミーコ

50
結婚詐偽連続殺人の話かと思いきや・・・ 不思議な話ではあったが、魅力を感じなかった。 読んでるのが しんどくなった。ジンの話は面白かったけど ほかは好きになれず・・・ 結末が気になり何とか最後まで読んだが 私には合わなかった。もやもやした気分だけ残った。2015/06/13

nina

32
それは夜だけの物語の時間。語り部が語り部を呼び、物語のなかのあなたがわたしの物語を語る。あなたによって語られる物語のなかのわたしは空を飛び、イルカに抱かれながら水の中を突き進む。愛は破れ、自由を禁じられても、その苦しみを乗り越える術を知っている。一方でアンドロイドの世界で死という快楽を提供することで、世界に復讐することもできる。快楽も苦痛も、喜びも悲しみも、最後に想像主によって終焉を告げられた物語の中ではすべてがかき消えるが、やがてそれは次の新たな物語へと引き継がれる。あなたとわたしの、ふたりの物語へと。2015/01/06

昭和っ子

30
途中で話の訳が分からなくなってくるんだけど、読むのがやめられない。変なの。孤高の殺人者が失望を繰り返しながら殺人を重ねる話かと思いきや、すぐ二人目でほぼ理想の語り手が出てくる。最初に語られた「カワイルカ」の話にはすごく惹きつけられた。そのままずーっとお話の迷宮に連れて行かれるんだけど、時々ツボにはまるエピソードや表現が出て来て後を引く。不思議さもエロティシズムもちょうどよい塩梅。せっかく理想の語り手を見つけたのに、彼女はすでに追われる身。ストーリーが終わっても、お話はずーっと続いて行く様で…。後引くわー。2015/05/31

そうたそ

29
★☆☆☆☆ 男を誘惑し財産を巻き上げた結果、証拠を残さず男を死へ追いやるという日常をおくる女。彼女は、男の死の前に自分が夢中になれるような話を男に語らせる。その話の内容によって男の命の長さが決まる。星野智幸流千夜一夜物語とでも言うべき物語。イメージとしては、ミステリの中にメルヘンの要素がある気がして面白そうだったのだが、正直自分にはよくわからない世界観だったというのが正直な感想。大体、冒頭に一人男が死んで以降、後はずっと同じ男が話しているだけ。語られる話もファンタジックの要素が強すぎてついていけなかった。2014/07/19

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