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妻が椎茸だったころ

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  • サイズ B6判/ページ数 172p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062185134
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

亡き妻が書き残した言葉から夫婦の記憶がよみがえる表題作。禁断の愛、思いがけない人生の側面。5つの短篇からなる作品集。

オレゴンの片田舎で出会った老婦人が、禁断の愛を語る「リズ・イェセンスカのゆるされざる新鮮な出会い」。暮らしている部屋まで知っている彼に、恋人が出来た。ほろ苦い思いを描いた「ラフレシアナ」。先に逝った妻がレシピ帳に残した言葉が、夫婦の記憶の扉を開く「妻が椎茸だったころ」。卒業旅行で訪れた温泉宿で出会った奇妙な男「蔵篠猿宿パラサイト」。一人暮らしで亡くなった伯母の家を訪ねてきた、甥みたいだという男が語る意外な話「ハクビシンを飼う」。
5つの短篇を収録した最新作品集。

【著者紹介】
1964年東京生まれ。東京女子大学文理学部史学科卒。出版社勤務を経てフリーライターになる。2003年『FUTON』でデビュー。著書に『イトウの恋』、『ツアー1989』、『均ちゃんの失踪』、『桐畑家の縁談』、『冠・婚・葬・祭』、『平成大家族』、『女中譚』、『エルニーニョ』、『花桃実桃』、『東京観光』、『眺望絶佳』、『のろのろ歩け』など。2010年に『小さいおうち』で第143回直木賞を受賞。

内容説明

「人」への執着、「花」への妄想、「石」への煩悩…ちょっと怖くて愛おしい五つの『偏愛』短篇集。

著者等紹介

中島京子[ナカジマキョウコ]
1964年東京生まれ。東京女子大学文理学部史学科卒。出版社勤務、フリーライターを経て、2003年『FUTON』でデビュー。2006年『イトウの恋』、2007年『均ちゃんの失踪』、2008年『冠・婚・葬・祭』がそれぞれ吉川英治文学新人賞候補になる。2010年『小さいおうち』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

れみ

245
突然亡くなった妻が予約していた料理教室に出かけることになった主人公のお話(表題作)ほか、不思議な雰囲気のお話ばかりの短編集。どれもちょっともやっとした感じで終わるけど、ついつい引き込まれる。そして、お話のなかに出てくる料理がみんな美味しそう(^-^)2014/09/25

めろんラブ 

212
中島流奇譚集。シュールあり、ホラーあり、幻想ありと、その器用さに舌を巻いた。収録の5短篇はそれぞれに違った味わいがあり、どの作品も楽しめたが、なかでも出色は、寂寥をユーモアで包んだ表題作「妻が椎茸だったころ」。妻が椎茸・・・何がどうしてそうなったのか。読者がタイトルに抱くであろう疑問を共感に変え、胸に迫る作品に仕上げた中島さんの技量が計り知れない。凄みさえ感じさせるそれは、もはや畏怖の域。行間に漂う豊かな時間≒記憶を忠実に反映した装丁も◎。2014/01/21

milk tea

186
不思議な感覚がなんともクセになります。いろんな形の面白さがあって、最後のオチもまた良し。タイトルにもなってる「妻が椎茸だったころ」。ごくごく普通のお父さんが、奥さんを亡くし、ちょっとしたことから仕方なくお料理をするはめになってしまう。ここの描写は滑稽。少し不器用なところも可愛い。お孫さんにおねだりされるほど美味しい椎茸入りのちらし寿司が作れるようになる。そして自分の隣に寄り添ってくれる一本の椎茸。なかなかいいんじゃない?2017/09/20

❁かな❁

154
タイトルがインパクトがあり、お気に入りさんの感想で気になり、初めて中島京子さん読みました!短編5編入り。個性的なお話で、怖い話や奇妙な話など楽しむ事ができました!特にお気に入りは表題作の「妻が椎茸だったころ」「ハクビシンを飼う」です!お話は個性的なのにとても淡々と描かれていて読みやすいです。「妻が椎茸だったころ」は妻に先立たれた定年を迎えた男性のお話でとても良かったです。「ハクビシンを飼う」は身寄りのない叔母が亡くなり、そこを訪ねた女性のお話で夢が現実かわからない雰囲気がとても素敵でした★空気感好みです!2014/02/03

pino

143
狂気?偏愛?ミステリアスな5編。日常と非日常の境界線の上を歩く楽しみを味わえた。趣が異なる『リズ・イェセンスカ…』以外はヘンテコなんだけど、歪んではいない気がする。登場人物たちの忙しない毎日にヘンテコなものが投げ込まれ見えなかったものが見えてきて魔法にかかったようにのめり込む描写が奇抜。常識という縛りがなくなると宇宙へも古代へも幽玄な空間へも行けそうだ。食虫植物を愛で石に惹かれて昔は椎茸で…。それでも彼らは安易にあちらの世界に行かないだろうという妙な安心感もある。愛ありゾワリあり。とりあえずお腹がすいた。2022/05/28

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