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恋歌

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  • サイズ A5判/ページ数 281p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062185004
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

樋口一葉の歌の師匠だった中島歌子が、水戸天狗党の妻として過ごした幕末。苛烈な運命に翻弄された女の一生を、巧緻な筆で甦らせる。樋口一葉の歌の師匠として知られ、明治の世に歌塾「萩の舎」を主宰していた中島歌子は、幕末には天狗党の林忠左衛門に嫁いで水戸にあった。尊皇攘夷の急先鋒だった天狗党がやがて暴走し、弾圧される中で、歌子は夫と引き離され、自らも投獄され、過酷な運命に翻弄されることになる。「萩の舎」主宰者として後に一世を風靡し多くの浮き名を流した歌子は何を思い胸に秘めていたのか。幕末の女の一生を巧緻な筆で甦らせる。

朝井 まかて[アサイ マカテ]
著・文・その他

内容説明

幕末の江戸で熱烈な恋を成就させ、天狗党の一士に嫁いで水戸へ下った中島歌子。だが、尊王攘夷の急先鋒である天狗党は暴走する。内乱の激化にともない、歌子は夫から引き離され、囚われの身となった。樋口一葉の歌の師匠として知られ、明治の世に歌塾「萩の舎」を主宰し一世を風靡した歌子は、何を想い、胸に秘めていたのか。落涙の結末!

著者等紹介

朝井まかて[アサイマカテ]
1959年、大阪生まれ。2008年、第3回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞してデビュー。受賞作は『花競べ向嶋なずな屋繁盛記』と改題され、講談社文庫に収録されている。人の心の機微に触れる細やかな筆遣いと一筋縄ではいかない物語運びで、時代小説に新風を吹き込み、注目を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

660
第150回直木賞(2013)。 明治初期「萩の舎」で 一世を風靡した中島歌子の 以徳への壮絶な恋の物語。 文体に静逸な安定感が あり、当時の雰囲気を読者に しっとりと味わわせてくれる。 幕末の水戸藩、林以徳に寄せる 登世の想いはしなやかで、揺るぎが ない。時代は安政の大獄以降の 水戸藩で、登世の視点から みた水戸藩内部の争いは 歴史小説としても面白い。 天狗党と諸生党の内紛、 妻子の処刑はむごく哀しい。 そして、物語の最後に明らかに なる真実とは…心に染み入る 物語だった。2014/06/22

ヴェネツィア

637
物語を流れる時間は、花圃を語り手とする現在時(とはいっても明治25年)と、歌子の手記によって回想される幕末の二重構造をとる。そうした方法をとった理由は最後に明らかになるが、本書においては、いくつかの「邂逅」が深い意味を有していたのである。それはテーマそのものと深く関わると言ってもよい。幕末の水戸でこのような闘争の歴史があったことは知らなかった。巻末に掲げられた参考文献からすれば、おそらくは歴史的な事実に立脚して書かれているのだろう。登世(後の歌子)の人生は、時の運命に翻弄されるかのようであるが、その中で⇒2022/07/13

ミカママ

607
やっと読めた・・・期待が大きかったので長いこと積んでたんですが。期待は裏切られませんでした。ひとめ会ったときから恋い焦がれ、やっといっしょになれたものの、運命に翻弄されたふたり。そして死ぬまで彼のことを想い続ける、という現代だとちょっとありえそうもない恋愛が、あの時代には確かに存在したのね。和歌は、昔暗記した百人一首以来だけれど、私のお気に入りは、実は若武者の小四郎が想い人のてつに残した辞世の句。「咲く梅は風にはかなく散るとても にほひは君が袖にうつして」あああ。2015/12/27

風眠

500
「君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしへよ」(恋することを教えたのはあなたなのだから、どうかお願いです、忘れ方も教えてください。)幕末から明治という激動の時代を生きた、歌人・中島歌子。一人のひとを想い、胸に秘めて、三十一文字に命をかけた女性。過酷な運命に翻弄されているようでいて、ブレない強さと覚悟で、筋を通した生き方が美しくて哀しい。どんなに愛しても、この世ではもう会うことができない。それでも愛する心を変えることができないのが、恋というもの。ただひとつの恋、口に出さない分だけ想いがつのる。2014/06/20

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

459
幕末に生きた女性の烈しい恋。樋口一葉の師で、明治に一世を風靡した歌人・中島歌子は病床にいた。門下生の花圃は見舞い客への返礼を手伝うため師の私室に入り、そこで一束になった手記をみつける。それは歌子が若き日の恋の物語だった。尊皇攘夷の急先鋒だった水戸藩の林忠左衛門に嫁いだ彼女は、夫と共に藩内の勢力争いに飲み込まれていく。嫁ぎ先での疎外感、待ち続ける切なさ、そして憎しみの連鎖と、それに終止符を打つ決断。行き場のない思いを込めた「忘れ方を教えて」と詠んだ歌。ラストで明らかになる〈手記〉に託した思いに心が震えた。2015/05/04

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