三姉妹とその友達

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三姉妹とその友達

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  • サイズ B6判/ページ数 149p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062182089
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

スマートフォンを棄てて、貝がらに耳をすませ! 人間性回復のため四兄弟が立ちあがった! 先鋭性の中にリリシズムが光る最新作。

コミュニケーションの利便性を高度に追求した結果、人々は人間性を完全に喪失していた。二〇一二年七月、そのことを憂う口べたな四兄弟が立ちあがった。長兄は、多機能携帯電話を廃棄し、貝がらを耳にあてるよう訴える。そうすることで、人は心を静め、本来は聞き取れぬはずの声と交信することまで可能になり、それにより豊かな人間性を回復することができるというのだが……。ノスタルジィとリリシズムをたたえる福永信の最新作!

内容説明

高度なコミュニケーション社会の発達の行く末に失望し、失われた人間性を取り戻すため、立ちあがった四兄弟。大舞台の幕が今、上がる…夢想家の長男、実務肌の次男、兄に忠実な三男、ミステリアスな四男―彼らが語るのは、脱力と失笑を誘う、ただの世迷い言か?それとも、人と人とが本当につながる夢のような世界なのか?戯曲を模した小説、その小説のノベライズという、まさかの手法で生み出した、二つのトゥルーストーリー。隠れた名作「この世の、ほとんどすべてのことを」も友情収録。

著者等紹介

福永信[フクナガシン]
1972年、東京都生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かりさ

71
どうかその手にもっているものを投げすてて貝がらを耳にあててくれ…つまりスマホを海に投げ捨てて、貝殻を耳にあてなされ…はて?不思議。三姉妹とその友達は一切登場しないこれまた不思議。四兄弟の独り語りが繰り広げられる戯曲を模した小説にそのノベライズによりこの真相が解決する?するのか?読めば読むほど何を読まされているのやら?次第に独特な語りがツボにはまりクスクス可笑しくなり…いや~翻弄されました。心地好く。貝殻から聴こえる声は誰なのかどこなのか到底有り得ないことが面白い。着地点はありませぬ。放られっぱなし。最高!2016/09/07

多聞

12
福永信らしさが全面に押し出された関連性の物語。新たなコミュニケーションの形を目指す四人兄弟の独白による四幕の戯曲「三姉妹」と「そのノベライズ」は相関関係にあり、まずは後者を先に読むことで、時折吹き出しながらも本作の全貌の理解に役立つだろう。福永信の作品の中でも本作は物語性が強く、併録作「この世の、ほとんどすべてのこと」も含めて非常にわかりやすいので、入門編としてお薦めしたい。2013/05/12

まゆ

8
たぶん書きたいのはおもしろいことだけど、全然わからない。わたしにはわからない。普通に書いたらいいのに。2016/06/06

そうたそ

8
★★☆☆☆ んー、なんだかよくわからなかった。「三姉妹とその友達」なのに四兄弟だし。戯曲なのに戯曲っぽくないじゃん、とか。まずストーリーすらよく分からない。戯曲でもないし、小説でもないし……という。そしてそのノベライズが次に収録されている。こっちの方を読んでも意味が分からず。不思議な読書体験だけど、「一一一一一」には劣るかな。併録作は、表題作に比べて単純明快。本人はそんなつもりで書いたのではなかろうが、オチが小気味いいショートショートのよう。元は朗読された一遍のようだが、朗読に向いた作品だ、確かに。2013/07/04

rakim

6
ここでの主題は、携帯電話に象徴される情報社会にスポイルされてしまった人間の叫びにも思えます。ジャン・コクトーの「私の耳は貝のから 海の響きを懐かしむ」という詩の中にあった悠久はここにはなく、ひたすら母の胎内に、未来に向かって警告を発しているのは、輪廻を恐れる命たち。携帯電話をメタファのように使っている以上、電波系文学と言っても良いかも?ただし、ワクワクできる「普通の」読書を求める方にはお勧めしませんが。2015/02/15

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