出版社内容情報
日本人の心に響き続ける作品を生み出した、波乱と彷徨を繰り返した永遠の童心詩人の生涯を豊富なエピソードでつづる伝記「青い眼の人形」、[赤い靴]、「しゃぼん玉」、「十五夜お月さん」、「七つの子」などの童謡から、「波浮の港」、「船頭小唄」などの歌謡曲、民謡など、多くの歌を作詞した野口雨情は今年生誕130年を迎えます。本書はこれを記念して出版する企画です。
今、この時期も歌い継がれ、特に失われつつある日本の懐かしい風景や、叙情あふれる言葉が、われわれを癒してくれます。
本書は、明治・大正・昭和を通した偉大な作詞家の評伝というよりは、詩作の原点になった人生の彷徨や出来事、そして数多くの歌の誕生秘話を、孫ならではの知りえた豊富なエピソードを織り込みながら綴ってもらいます。
これらの文章を増幅させるために、10年まえにキングレコードより発売した、雨情生誕120年記念CDから、本書の流れに沿った曲をピックアップして付け、記念出版ふさわしいCDブックとします。
第一章 ふるさと磯原と東日本大震災
第二章 野口家の人々―水戸光圀公と「観海亭」
第三章 学生時代と結婚―東京専門学校と坪内逍遥の教え
第四章 樺太行の謎・北海道時代―石川啄木雨情
第五章 苦悩と開花への胎動―「船頭小唄―枯れすすき物語」
第六章 童謡・新民謡への展開―「金の船」=「金の星」
第七章 雨情との交わり―西条八十、菊池寛、瀬戸内寂聴
第八章 晩年
CD20曲歌詞 野口雨情年譜
野口 不二子[ノグチ フジコ]
著・文・その他
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メルセ・ひすい
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CD.付 2000点もの童謡・新民謡を作詞。人間は全てを失うと こんなに純粋になれる…そして全てが透きとぉって見える。民謡詩集『都会と田園』の中に我が家の栄枯盛衰を詠んだ「己の家」がある。雨情三七歳、破産の中から、やっとの思いで野口家をヒロと長男雅夫に託して、つると第二の人生に旅立った時の歌詞。貧困と苦悩の中で詩作への思いだけは絶やさなかった雨情の真実の姿を、直孫である作者が近親者でなくては知りえない事柄も含めて明らかにする。名作童謡の詩人、野口雨情生誕130年記念出版。2013/01/06