セッシュウ!―世界を魅了した日本人スター・早川雪洲

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セッシュウ!―世界を魅了した日本人スター・早川雪洲

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  • サイズ B6判/ページ数 414p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062179157
  • NDC分類 778.21
  • Cコード C0023

出版社内容情報

一生涯、世界に君臨し続けた唯一の日本人スター「セッシュウ」。その軌跡を圧倒的な調査と第一級史料により描き出す超大型評伝!スケールが大きく、一流を好み、豪華で、賭け事が好きで女好き。長命で、生涯現役だった国際スター雪洲は胸も肩も張って生きた。こんなに力強くて魅力的な人はいない。と思ったら、じつはとても無口で、電話口ではいつも、あー、うーとしか言わず、家族にくすくす笑われていた。
アメリカ、日本、ヨーロッパと世界中をわが家のように活躍した雪洲。あまりにも行動範囲が広くて、追いつけない。アメリカのカリフォルニアでは大学教授が雪洲研究をしている。フランスでは雪洲の演技は俳優の原点と評価されているくらいだから研究されているだろう。
私は、日本にいて、どこまでも雪洲を追いかけ、後についていこう。足で歩き、バスに乗り、ある時は午前と午後に一本しかないバスを待った。またある時は、待合所で最終バスを待っていたけどいつまでたっても来ないことがあった。バスが、私を積み残して、遥か先へ行ってしまったのだ。バス会社が手配してくれたタクシーで、バスを追いかけて夜道を驀進、追いついてバスに飛び乗り、ようやく宿にたどり着いたこともあった。またある時は、焼け焦げそうになりながら、砂漠のような房総の真夏の砂浜を歩いた。強烈な紫外線が目を焼く。雪洲の故郷だからこそで、雪洲が私に近づいてくる気配がした。そうでも思わなければ灼熱の中を歩けるものではない。
20歳代の美形で世界の恋人になり、70歳代のオヤジ顔でアカデミー賞にノミネートされた、あっぱれ雪洲。日本人男性のサムライ・イメージを世界に発信し続けた面白さと魅力を丸ごと伝えたい。ようやく最初のトンネルを抜けた。これからも雪洲への長旅を続けようと思う。 
(著者)

『戦場にかける橋』で日本人男性初のアカデミー賞にノミネートされた元祖国際俳優――。
早川雪洲についてはその程度のイメージしかない読者にも、その人生の面白さ・凄さを存分に伝えたい。
7年の歳月をかけて徹底的に歩き、調べた「雪洲」評伝の決定版。

1 青木鶴子・国際映画女優第一号
2 雪洲になるまで
3 夢や夢・あこがれのアメリカ
4 眠らない男
5 動く「役者絵」セッシュー
6 アメリカの舞台
7 堂々帰国
8 沈黙の石畳
9 「もののふ」の人
10 「ハヤカワ劇場」閉幕す


中川 織江[ナカガワ オリエ]
著・文・その他

内容説明

半世紀以上世界で活躍し続けた大スター。なぜ彼は故国・日本で「国賊」と呼ばれ続けたのか―。「チート」から「戦場にかける橋」まで、初めて全出演作品を網羅し、巨星のたどった軌跡を再現する。

目次

第1章 青木鶴子・国際映画女優第1号
第2章 雪洲になるまで(1886年(明治19)0歳―日本時代)
第3章 夢や夢 あこがれのアメリカ(1907年(明治40)21歳―アメリカ時代)
第4章 眠らない男(1917年(大正6)31歳―アメリカ時代)
第5章 動く「役者絵」セッシュー(1923年(大正12)37歳―アメリカ、ヨーロッパ時代)
第6章 堂々帰国(1930年(昭和5)44歳―日本時代)
第7章 沈黙の石畳(1937年(昭和12)51歳―フランス時代)
第8章 「もののふ」の人(1950年(昭和25)64歳―日本時代)
第9章 「ハヤカワ劇場」閉幕す(1961年(昭和36)75歳―日本時代)
第10章 終章

著者等紹介

中川織江[ナカガワオリエ]
日本女子大学大学院博士課程後期修了。博士(文学)。(公財)教育美術振興会評議員。元・京都大学霊長類研究所共同利用研究員。元・日本女子大学、埼玉大学講師(非常勤)。香川栄養学校調理師科卒。大塚テキスタイル学院工業繊維学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中田俊輔

9
この本は、予想以上に面白かったです。早川雪洲チートでハリウッドスター第1号になりその後、チャプリンが続くんですけど、とにかく破天荒で日本人がバカにされてはだめだと大きい家を購入してパーティを模様してその中にはチャプリンもいたりとにかく破格のギャラをもらってたので保険金ほしさに雪洲に近よって殺害を企てようとするプロダクションがいたりハリウッド映画に嫌気がさしてフランスで映画をとったり愛人に子供を生ませてハリウッドでは雪洲より早く映画に出ていた鶴子に面倒をみさせたり時代なので、今の価値観では、計れないですけど2020/04/28

メルセ・ひすい

5
今、生きていれば127歳。21歳で渡米草創期のハリウッド映画界、デビューは1915年米国は人種差別、排日運動のまっさかりだった。川上音二郎の姪と出あった。生涯、世界に君臨し続けた唯一の日本人スター早川雪洲と、日本人初のハリウッド女優だった妻。その軌跡を圧倒的な調査と第一級史料により描き出す。7年の歳月をかけ初めて明らかになる、世界的夫婦の愛の物語。2013/02/27

decomo

3
早川雪洲まったく知りませんでした。戦場に架ける橋は知ってるけど見たことない。とにかくすごい、まぁとんでもない所も多々あるのだけれど、仕方ないのかなぁ。鶴子さんが立派すぎますね。2021/05/25

Gen Kato

3
『チート』『新しき土』『東京ジョー』『東京暗黒街・竹の家』などの映画を観て、早川雪洲に興味を持ったので。雪洲はもちろんのこと、伴侶であった鶴子さんの生きざまがすごい。そしてスターになった人物を些末なことから罵倒したり称賛したり、日本人って100年前から変わらないんだなあ。2016/04/21

Wataru Hoshii

3
雪洲ぐらいの人なら、事実関係を整理した評伝がとっくに出版されているはずと思っていたが、あまりに伝説が多すぎて、きちんと確認されてこなかったということらしい。その意味で、付録の出演作品リストも含めて労作。妻・鶴子への筆者の思い入れの強さは、この評伝ならではの重要な視点だろう。その一方、取材で確認しきれなかった(誰かが言っているだけで客観的な裏付けがない)内容がかなり多く記述の中に投げ出されてもいる。関係者のほとんどが亡くなってしまっているから仕方ないが、そこで評伝としての詰めがやや甘くなっているのが残念。2013/03/30

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