出版社内容情報
この街でなら何かが変わるかもしれない。海が見える図書館で働く若者たちの「じつは」を、一年の移り変わりとともに描いていく。
この街でなら何かが変わるかもしれない。海が見える図書館で働く若者たちの「じつは」を、一年の移り変わりとともに描いていく。
内容説明
この街でなら、明日が変わる。海が見える市立図書館で働く20、30代の4人の男女を、誰も書けない筆致で紡ぐ傑作連作中編集。
著者等紹介
畑野智美[ハタノトモミ]
1979年、東京都生まれ。2010年、『国道沿いのファミレス』で第23回小説すばる新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
201
読み友さんオススメの初読み作家さんでしたが、スッゴく良かったです!読みやすいし、キャラはわかりやすいし、展開も飽きさせないので言うことナシな素晴らしい作品でした。図書館で働く20代女性2人と30代男性2人のそれぞれの視点からなる物語で、どのキャラも正直最初は少し敬遠気味な距離感からスタートしますが、それぞれの章を読み終える頃には、そのキャラが好きになってしまう不思議な魅力があります。どのキャラもそれぞれ抱えている‘悩み’があり、そのコンプレックスをどう捉え、対処していくかがじんわりココロに響きます。2014/07/06
takaC
151
若者の恋愛は初々しくて良いね。文庫化の際にはぜひ解説を付けてもらいたい。感想的なのを。誰が適任かな。2013/10/16
あつひめ
142
市立図書館での話かぁ、と本にまつわるような展開かと思いきや。根は真面目だけど、心の開き加減がうまくわからない男女の物語だった。社会生活はそこそこ営めても、やはり人を愛し自分を愛すことがへたっぴな大人たち。好きなのに好きって言えない。口を開けば減らず口ばかり叩いて、心の中の事とは違う感情を見せてしまう。他人に干渉しないようにと生きてきたものが、少しずつ変化していく。その心の中の葛藤ってすごいものだと思うんだけど。ラストだけは心から正直に言葉が出た感じ。でも、20代半ばと30代前半にしては少し幼い気がするな。2013/04/09
Aya Murakami
132
オトナ女子必読フェア それぞれの登場人物の視点から仕事場だる図書館周辺及び家庭環境を描いていく小説でした。程度や種類は異なるもののそれぞれ壮絶な人生だな…なんて思いました。しかも割と現実世界で有りうるような種類の壮絶設計なのが…。 後は図書館をIT化したものの職員が機械を持て余すのは文系の職場あるあるのような気が…。エンター押せばOKなエラー表示がそのままにされてあるパソコンは壮絶人生の合間の一休みシーンです。2019/10/15
ひろちゃん
127
大人であればあるほど分かる恋愛小説。ある市立図書館で繰り広げられる四つの物語。ほのぼのとした恋愛小説だなと思いながら読んだ。あとがきで大人というのは自分は変わらないということを受け入れることなのかもしれない。でも人は変わる。暴力を振るわれても元彼のことが好きだった登場人物が新たに好きな人と出会った時のセリフで「黙って隣にいると、この人に会えて良かったとおもう気持ちで胸がいっぱいになる。」というセリフがあった。うちもそんな恋がしたい!2016/03/11