東と西―横光利一の旅愁

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東と西―横光利一の旅愁

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  • サイズ A5判/ページ数 356p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062178280
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

出版社内容情報

代表作『旅愁』を通し横光の精神の軌跡を辿る。日本人の思想と行動原理をライフワークとして掘り下げてきた著者注目の最新刊。

作家、横光利一は昭和11年、シベリア鉄道を乗り継ぎ半年にわたってヨーロッパを旅した。その経験をもとに、自らを投影した登場人物を配し、小説『旅愁』を書きはじめる。小説のなかでは優柔不断な男と大胆な女が、ヨーロッパを舞台に集い、またすれ違う。それは西洋文明になじみ得ぬ横光の精神の現れであり、東と西の文明を背負った男女の恋愛の成就を認められない横光の信念の証でもあった。大阪毎日・東京日日新聞で始まった連載は、時をおいて「文藝春秋」に舞台を移し再開するが、世は戦争の最中。雑誌は頁数に制限がかかり、本人は妻の実家に疎開しているような状況にもかかわらず、戦前の欧州に滞在した人々の社交を描き続けた。『旅愁』『欧州日記』を検証しつつ、横光の精神の軌跡を辿る。
初出「群像」2008年~2011年

内容説明

横光利一は昭和十一年、半年かけてヨーロッパを旅した。その経験をもとに、『旅愁』を書きはじめる。優柔不断な男と大胆な女が集ってはすれ違う小説は、西洋文明になじみ得ぬ横光の精神の現れであった。連載は戦時中もつづき、横光は戦前の欧州に滞在した人々の「サロン」的社交を描き続けた。

目次

「欧亜連絡」
洋上の俳句
「文化防衛」は可能か?
「フィクションを生活するのだ」
『旅愁』の登場人物
日本女性は美しいか
カフェをめぐる「生活」
パリの新世代日本人
俳句と「チロル」
矢代の逡巡〔ほか〕

著者等紹介

関川夏央[セキカワナツオ]
1949年新潟県生まれ。神戸女学院大学特別客員教授。1985年『海峡を越えたホームラン』で講談社ノンフィクション賞、1998年『「坊っちゃん」の時代』(共著)で手塚治虫文化賞、2001年『二葉亭四迷の明治四十一年』など明治以来の日本人の思想と行動原理を掘り下げた業績により司馬遼太郎賞、2003年『昭和が明るかった頃』で講談社エッセイ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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糸くず

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戦前の人々が何を考えていたかに興味があって読んでみた。ぼくにとって、横光利一といえば、高校の時に習った「蠅」で、視点の斬新さと結末の呆気なさが印象的だった。この本は、未完の大作『旅愁』執筆時の横光とその時代の文学者の生活を綿密に調べ上げたもので、横光が、日本に誇りを持ちながらも、西洋に対抗出来うる具体的な何かを確信を持って表現できずに苦悩したのがわかった。著者の言うとおり、「日本は日本、西洋は西洋」と割り切れたらよかったんだけど、真面目すぎたのだろう。2013/08/24

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