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日御子

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  • サイズ A5判/ページ数 540p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062176774
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

金印の出土した「倭の那国」から「邪馬台国」まで。「日本の始まり」を物語の形で活き活きと描いた、古代歴史ロマン・ストーリー

代々、使譯(通訳)を務める安住一族の子として生まれた針(しん)は、病床の祖父から、那国が漢に使者を遣わして「金印」を授かったときの話を聞く。それは、「倭」の国が歴史に初めてその名を刻んだ出来事。祖父が聞かせてくれる物語に、針は胸震わせ遠い過去に思いを馳せた。それから十数年が経ち、再び漢へ遣いを出すことになった。こんどは針の番だった。伊都国の使譯として正式に任命されたのだ。5隻の船にたくさんの生口(奴隷)を乗せ、漢の都・洛陽へ。──その後「倭国大乱」「邪馬台国」そして「東遷」へと、代々の使譯たちの目を通じて語り伝えられていく日本の歴史。眼前に広がる古代歴史ロマンが、日本人の心を捉えて放さない。

内容説明

はるか昔、倭国の平和のために海を越え大陸をめざした人々がいた。それは、失われた歴史をつむぐ朝貢の旅。いまにつながる、この国のはじまり。使譯(通訳)一族に伝わる四つの教えが、国を和の心へと導く―。日本人のルーツを壮大なスケールで描く、書き下ろし歴史ロマン小説。

著者等紹介

帚木蓬生[ハハキギホウセイ]
1947年福岡県生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、TBSに勤務。退職後、九州大学医学部に学び、精神科医に。’93年に『三たびの海峡』で第14回吉川英治文学新人賞、’95年『閉鎖病棟』で第8回山本周五郎賞、’97年『逃亡』で第10回柴田錬三郎賞、2010年『水神』で第29回新田次郎賞、’11年『ソルハ』で第60回小学館児童出版文化賞、’12年『蠅の帝国 軍医たちの黙示録』『蛍の航跡 軍医たちの黙示録』で第1回日本医療小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

114
この中の邪摩大国は邪馬台国であろうから、時代は一世紀くらいから卑弥呼の時代までだろう。舞台は九州北部。たくさんのクニがあでた。大陸の言葉と和語の通訳としての知識を代々身につける「あずみ」一族。彼らが代々使えた国の王を子孫に口承していくことで、歴史が語られる。創作の部分も多いと思われるが、鉄や銅、稲作の技術についての当時の大陸と日本の技術の差がよくわかる。2020/11/22

NAO

76
金印で有名な倭の那の国を舞台とし、通訳を専門職とする「使譯」という家柄の者たちを主人公とした話。この作品の一番のポイントは、この使譯の一族が代々語り伝え、守り続けている三つの教え。祖父から孫へ。父から娘へ。祖母から孫娘へ。叔母から甥へ。父から息子へ。何度も何度もその三つの教えが繰り返し語られる。炎女からその教えを聞かされた日御子は、自らもそれを実践した。「争い、人を裏切ると天からその姿が見えなくなってしまう」と何度も繰り返されるこの言葉は、今の私たちに向かっての警告のようだ。2019/06/11

再び読書

59
卑弥呼(日御子)の話と思ったら使驛のお話でした。確かに使驛を主体としたタイトルはつけにくいのかも、しれませんが少しスッキリしない。那国、伊都国、弥摩大国と支える国は変わるが、あずみの教えを子々孫々と受け継いでいく。求奈国は弥摩大国に対して敵対意識を持ったままだったが、最後に希望を持って終わる。仕事と仕事の合間に骨休みがある。というのは理想であるが、どこまで続けられるものだろうかと少し疑問を感じる。丁度中国史でも、ある程度知っている時代なので、その関係は面白かった。今邪馬台国の場所はどこが正解?2017/03/11

紫陽花

58
本年初作品。「漢委奴国王」の金印で有名な奴国、邪馬台国の卑弥呼(本作品では弥摩大国の日御子と表現しています。)の時代の話。当時の日本には独自の文字はなく、大陸と交流をしていくには「使えき」と言われる通訳の存在が重要であり、その使えき一族の話。一族には①人を裏切らない、②人を恨まず、戦いを挑まない、③良い習慣は才能を超える、という3つの教えがあり、代々何百年に渡って教えを守り、争いのない国造りに貢献したという内容でした。馴染みの薄い時代背景。500ページを超える作品とあって、読むのに苦戦しました。 2019/01/07

藤枝梅安

56
現在の九州北部の「弥摩大国」の女王・日御子を中心として描かれた壮大な歴史ロマン。大陸から渡って来た「あずみ」という一族が使驛(通訳)として各地に散らばり、それぞれの国で働いている。「あずみ」一族に国境はない。「人を裏切らない。人を恨まず、争わない。良い習慣は才能を超える。」という3つの教えが子々孫々に伝えられ、国王である日御子もそれに従って国を治めた。大陸に朝貢に随行する「あずみ」一族は現地の役人とも交流を深めていく。日御子の崩御の後、国難が迫るところで物語は突然終わる。2012/07/05

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