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美しき一日の終わり

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062175128
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

ただ一日の逢瀬を想い、長い歳月を生き抜いてきた男女。異母姉弟の二人が、秘めてきた気持ちを初めて明かす。至極の恋愛小説。

ある日父が弟を連れてきた。父が愛人に生ませた少年は秋雨と名乗り、美妙より八つ年下の異母弟である。実母を失くしてから希望を捨て孤独をつらぬく秋雨と、彼への思いを心の奥底に秘め生きてゆく美妙。二人は、住む人の無いかつて暮らした家で、会うことを決めていた。二人は庭を眺め、過去に思いをめぐらし、互いの来し方を語り合う。悲しいまでにひたむきに生きた男と、忍ぶ思いを持ち続けた女のすべてを、この一日に。

内容説明

ある日、父が家に連れてきた少年は秋雨と名乗り、美妙より七つ年下の異母弟であった。それから五十余年、互いへの思いを心の奥底に秘め、それぞれの人生を歩んだ二人は、取り壊しの決まった、古い家で再会する。ともに暮らした幼い日々をなつかしみながら、長い歳月を慈しむように来し方を語り始めた。生涯のすべてを一日に込めて、至高の愛の姿を描く恋愛長編小説の新境地。

著者等紹介

有吉玉青[アリヨシタマオ]
1963年、東京生まれ。’90年に、母・佐和子との日々を綴った『身がわり』で坪田譲治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

348
なんて美しい文章、なんて美しい物語。今、恋をしているすべてのひとに読んでもらいたい。そしてわたしのように、恋の残骸を抱いて暮らしているあなたにも、、、。2018/03/11

おしゃべりメガネ

187
素晴らしい・・・、とにかく素晴らしい作品に出会えました。血のつながらない姉と弟の50年余りのこれ以上ない純愛物語です。たった1日の出来事をこんなにも壮大なクロニクルに書き綴る有吉さんの手腕にひたすら感服しました。激しいココロの動きがあるワケでもなく、ただ淡々とさざ波のように時の流れとココロの動きを追い続けていく作風は、なんとも言いようのない惹きつけられる魅力がふんだんに溢れ、その世界観に取り込まれます。二人が出会ってからを回想を交えながら、思い出を語り合い続けるその会話、そのリズムは見事な美しさでした。2016/04/22

初美マリン

127
姉弟が心から慈しみ愛おしいと思う、一生を振り返る。哀しく美しい作品。2021/08/02

chimako

116
静かでいて饒舌。ひんやりとして熱い。人生の終りに間近な一日を共に過ごす姉弟の55年が揺るぎのない言葉で語られる。「今日も終りね」「ああ、月が見えますよ。ほら、あそこに」……少し湿った土の庭をはだしで歩くような感覚。柔らかくて、冷たいのにこそばゆい。素足でなど降りてはいけないのにそこにそっと一歩を踏み出す小さな罪悪感。シランやテッセンの下には虫や蛙。そんな情景が見えてくる。時は過ぎ草叢と化した庭を見つめながら想いを遂げた二人にはもう欲しいものは何もない。未来などなにものでもない。美しき本を 読みました。2016/05/17

じいじ

113
 こんなステキな恋愛小説もあるのですね。こんな「恋愛」もあるんですね。70歳の主人公・美妙の心の内に秘めた55年の純愛が結実する一日までが丁寧に綴られた物語です。悲しく切なく目頭が熱くなる場面も多々ありましたが、昭和の時代を懸命に生き抜いた美妙の心の強さに感動しました。流麗な文章、美しい情景描写は、作者の人柄が伝わってくる読み心地です。また、読み返したくなる素晴らしい恋愛小説だと思います。2016/11/29

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