経営者・平清盛の失敗―会計士が書いた歴史と経済の教科書

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062174336
  • NDC分類 210.39
  • Cコード C0033

出版社内容情報

ミリオンセラー「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の著者が、平家滅亡と通貨政策の因果関係を説く通貨」が平家を滅ぼした!日本の歴史上、最大の経済ミステリー「平家滅亡」を解き明かす。「現代ビジネス」「夕刊フジ」の人気連載、待望の書籍化。
著者:山田真哉さんからのメッセージ
こんにちは。このたび『経営者・平清盛の失敗』を書いた、山田真哉です。
■【さおだけ屋がなぜ歴史本を書いたのか?】
そもそも私がこの本を書いたきっかけは、某国民的ドラマのプロデューサーから
「平清盛を主役にしたドラマをつくるので、清盛に関する経済面の知識を教えて欲しい」という依頼を受けたことでした。たしかに私は、「平清盛が大好きだ!」と前から公言していたました。あたふたと、書籍・論文に当たり、一定の知識と史学科的な勘を取り戻していきました。
そして、この知識と労力をどこか別のところで活かせないだろうか……と思っていたちょうどそのとき、講談社の編集者が、出版の依頼に来たのです。
■【とつぜん芽生えた『悪の心』】
その依頼の内容は、「『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』みたいなものを書いてほしい」というもの。ぶっちゃけ、私のところに来るのは99%こんな依頼ばかりです。ネタがあればとっくの昔に続編を書いています。そういうわけで、今回も即座に丁重にお断りしようかと思っていたその時、私の中に『悪の心』が芽生えました。
(――なんとか清盛の本を出す方向にすり替えられないかな)
「歴史を使ってなら、『さおだけ屋?』みたいな話が書けます!」
■【平家滅亡のナンセンスな一般論】
一、「『平家は貿易で巨万の富を得た』というが、日宋貿易は本当に儲かるか?」
一、「政府が反対したのに、なぜ外国貨幣の『宋銭』が普及したのか?」
一、「莫大な財力をもっていた平家がなぜあっさり滅亡したのか?」
の3つを清盛を巡る謎に選んだのです。特に、「平家滅亡の謎」は気になる人も多いかな、と思いました。一般的に言われている「平家が武士の心を忘れて、“貴族化”したからだ」という滅亡理由は、どうみても論理的ではないからです。
「誰に読んでほしい」とか、偉そうなことは言いません。ただ、「“歴史経済ミステリー”というスタイルは、アリかナシか?」ということを、できれば、今この記事を読んでいるあなたにジャッジしていただけたら、と思うのです。 (山田真哉)

山田 真哉[ヤマダ シンヤ]
著・文・その他

内容説明

「通貨」が平家を滅ぼした!『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者が日本の歴史上、最大の経済ミステリー「平家滅亡」を解き明かす。

目次

第1章 教科書にはない日宋貿易の真相(「貿易で巨万の富を得た」を素直に信じるのは子供だけ;平忠盛、巨万の富のカラクリ;清盛の「貿易革命」;貿易の成功者)
第2章 日本経済史最大のミステリー、「宋銭」普及の謎(「宋銭」普及の謎;宋銭普及のよくある通説1・2・3;宋銭普及はダラライゼーションにはならない?;古代貨幣はなぜ廃れたか;銭をつぶせば救われる!?「末法思想」がすべての始まり;宋銭普及の謎―すべての真相解明へ)
第3章 平家滅亡の真犯人、そして清盛の「失敗」(平家を滅ぼしたのは源氏ではない…誰だ?;謎の現象「銭の病」;平家が見た地獄)
第4章 経営者・平清盛(伊勢―強みを伸ばして活かしきる経営;博多―経営者のセンスが問われる地盤の決断;薩摩―将来のリスクでライバルを峻別;神戸―前例にとらわれない発想で危機に立ち向かう)

著者等紹介

山田真哉[ヤマダシンヤ]
公認会計士・税理士。兵庫県神戸市生まれ。歴史学者を志して、大阪大学文学部日本史学専攻に進むも、結局断念。卒業後、公認会計士試験に合格。ミステリー小説『女子大生会計士の事件簿』(角川文庫他)はシリーズ100万部、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社)は160万部を突破するミリオンセラーとなる。現在、芸能人・文化人のための会計支援団体「芸能文化会計財団」理事長。企業の社外取締役や政府委員、経済番組・ドラマの監修等も務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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優希

46
目からウロコでした。俗に歴史で習う平家滅亡とは違う切り口で平清盛の失脚を描いています。注目しているのは宋銭。経済力を持ち過ぎたために平家が滅びたという解釈が斬新ですね。源平の合戦とは違う平家の滅びの新説はとても興味深いものでした。しかも現在の経済状況とサラリと絡めているのも上手いです。歴史と経済の2つの側面から平氏の滅亡を書けるのは流石史学科卒の会計士だと思いました。こういう見方で歴史を斬るのもまた面白いものですね。本当に凄く面白かったです。2014/08/08

ゲオルギオ・ハーン

29
本の整理のために再読。現代的な考え方で歴史を考えるダメな典型の一冊。平家の興亡を宋銭と日宋貿易だけで説明しようとしているが無理がある。日宋貿易で珍しいものを獲得し、朝廷の有力者に贈与、領地を獲得。宋銭を導入して貨幣経済を形成して経済力を強化していったというストーリー。贈与だけであれだけの領地の国司になったというのは無理すぎる。宋銭を導入して経済を効率化させるのも清盛だけが思い付いたと考えるのもまた無理がある。宋銭を選んだ理由も鋳造量や含有率では考えず、中国で作っているから偽造しにくいというのも弱い。2022/11/07

17
昔っから日本人って、米以外の手段でもって経済改革を行った人間を異様に叩くよね、清盛とか田沼とかと、ずっと不思議に思っていました。この本では清盛がなぜ宋銭を導入したか等、源平の戦いを経済的な面から詳しく解説しています。宋銭の導入により、朝廷から通貨発行権を取り上げることができる、輸入ならば通貨鋳造者により偽造を防げる、もともと宋銭は仏具の材料に転用されてきたので担保はあった等とても面白かった。鎌倉の大仏は宋銭を材料としているということは知っていたのですが、そうか、あれは元から予定されていたことだったのか…。2015/09/06

村越操

14
平家滅亡の理由それは「宋銭を導入した」からという視点が斬新かつ説得力あり。著者は平清盛を坂本龍馬と並ぶほどの偉人とたたえています。行動力、構想力、先見力が備わっていたから。ではなぜそれほどまで傑出した人物が平家を救うことができなかったか?見事なまでの歴史検証を繰り広げています。この本を読んでなぜ平家が滅亡したのか、薄っぺらな知識と理解しかしていなかったと反省。貨幣の役割・社会経済への影響という視点から見る歴史の醍醐味が味わえる良書。久しぶりに人に薦めたくなる一冊。2012/08/28

THE WATERY

13
平家滅亡を経済的観点から見つめた一冊。「源平合戦」と一括りに言われるよりも、滅亡までの流れのなかで視点が広がる方が面白い。やっぱり興味を持たせることが学ぶことにおける重要なこと。これからの大河「平清盛」も一段と面白く見られるかもしれないし、中世も面白い分野だと思えるかもしれない。2012/05/27

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