出版社内容情報
家族で楽しむ時代小説
茶つぼに追われて、とっぴんしゃん!
全力勝負から三日後、五つの子がさらわれた。
こども八人と一匹をのせた屋根船はゴン太のいる押上村を目指した。
茶壷道中は将軍御用である。隊列は格式が高く、進行の妨げとなった者には、斬り捨ててもよいと、隊列に特権が与えられていた。その茶壷が町内を通り過ぎるというので、南割下水の家々はどこも戸を閉じていた。
山本 一力[ヤマモト イチリキ]
著・文・その他
内容説明
茶壺道中は将軍御用である。隊列は格式が高く、進行の妨げとなった者には、斬り捨ててもよいと、隊列に特権が与えられていた。その茶壺が町内を通り過ぎるというので、南割下水の家々はどこも戸を閉じていた。茶つぼに追われて、とっぴんしゃん。全力勝負から三日後、五つの子がさらわれた。こども八人と一匹をのせた屋根船はゴン太のいる押上村を目指した。家族で楽しむ時代小説。
著者等紹介
山本一力[ヤマモトイチリキ]
1948年、高知県高知市生まれ。旅行代理店勤務、コピーライターなど、さまざまな職業を経て、1997年に「蒼龍」で第77回オール讀物新人賞を受賞し、作家デビュー。その後、時代小説を中心に精力的な執筆を続け、2002年、『あかね空』(文藝春秋)で第126回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おばりん
4
ずいずいずっころばしの唄の意味がわかって 何だか嬉しい。2013/01/31
lemon tea
3
子どもに是非読んでもらいたい本。現代と違い貧しいようでも精神的にも肉体的にもバランスの取れた子ども達が温かいコミュニティーの中で育っていく様子がうまく描かれている。教訓的な大人の言葉も多いがそれも子どもをよく把握して上での納得できる言葉。自分ではこのように言えないなぁ~と大人の勉強にもなってしまう本。♪ずいずいずっころばし♪のわらべ歌の♪茶壷に追われてとっぴんしゃん♪の意味も発見!2012/03/16
ちゃかぱん
3
・おとなと子供の違いはどこにあるか。見えてないことを見通すのがおと な。見た目には平気でもなにが起きるか判らないということが見えてる。 見えないことが見えるというのは、なにが起こるか分からないことに用心 するということ。 (本文より) 子供に大人と子供の違いについて説明するのにぴったりな言葉がたくさん。 人間法より道義が大事ということを今回もたっぷり教えられた。2012/01/08
ケニオミ
3
江戸深川では年に一度仲町と冬木町の子供達の間で技比べが開かれます。地元の名誉にかけて、子供達は勝つための策を練って競技に挑みます。しかし、この技比べはただの試合ではなく、子供達が大人になるための通過儀礼であることが次第に分かってきます。周りの大人は子供一人ひとりに目配りをしながら、一人前の大人になる実地教育を行っています。反目し合っていた両町の子供達が技比べを通して仲良くなり、次第に成長していきます。このようなコミュニティだったら、子供は間違いなくまっとうに育つだろうなと思いながら読みました。お薦めです。2011/12/29
のみちゃん
2
人さらいが描かれたことにより、上巻よりも広いエリアで子供達の成長が描かれた下巻。押上村の元住民として、深川や本所だけでなく押上村も描かれた下巻はより身近なものとなった。上巻に続き、「子供達だけでなく、犬も一人前として扱うべきだ」と学ぶ。この作品に描かれたような大人になりたいと、改めて思った。2013/04/11