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出版社内容情報
革命か、転向者か、衝撃の第4部。「北であれ南であれ、わが祖国」と掲げ、禁断の韓国へ潜行する、趙愚哲の行手を阻んだものは……?七〇年代、八〇年代は世界史の転換期であった。「愚哲」が組織を離れたそのときの秘密がいまはじめて開示される。「ぼく」に接近する謎の革命家・宋東奎(ソンドンギュ)。はたして北朝鮮の武装革命路線は正しいのか。その反省から新しい民主主義を探求し、「自生的社会主義」思想が生まれようとしていた。とはいえ、その時期、韓国では金大中事件、大統領狙撃事件、光州抗争、拉致疑惑などが相次いで起こっていた。隠された歴史的事件の真相は、いままさに白日の下に晒されようとしている。その歴史の亀裂は、日本と南北朝鮮そして在日の間にも波紋を引き起こす。サハリン朝鮮人(カレイスキー)の抑留はどこまで続くのか。北朝鮮に帰国した趙一族の崩壊、それは小さいこととはいえ、埋もれた民衆史の一つの暗喩たりうるだろう。愚哲はドン・キホーテよろしく挫折しては起き上がろうとする……。
李 恢成[リ カイセイ]
著・文・その他
内容説明
「北であれ南であれ、わが祖国」のテーゼを掲げ、禁断の韓国へ潜行する、趙愚哲の行手を阻んだものは何か?革命か、転向者か、衝撃の第4部。
目次
議長とボディガード
拉致と召還
懐疑する日々
一合の炒り粉
コルセットを外すとき
あとで語ることの先取り
貧乏行者
赤線でダテにドリンク剤は売らない
ソウルへの道
初歩的な体験〔ほか〕
著者等紹介
李恢成[リカイセイ]
1935年樺太(サハリン)・真岡生まれ、早稲田大学露文科卒。小説「またふたたびの道」にて群像新人文学賞を受賞。その後、「砧をうつ女」にて芥川賞を、「百年の旅人たち」で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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