出版社内容情報
三者三様、悪知恵を絞って化かし合いに走る後に袂を分かつ遠山金四郎、鳥居耀蔵、水野忠邦の<三悪人>の騙しあいの若き日々。浜松藩のお家騒動を金四郎、耀蔵が掻き回す。好評『三悪人』の続編にあたる。
内容説明
浜松藩では、幕閣での出世のために自ら願い出て転封した、藩主・水野忠邦打倒の不穏な動きが起きていた。江戸上屋敷に、転封の際、諫死した二本松大炊の幽霊が出るとの噂まで立っている。そこで、金四郎と耀蔵は、忠邦のため一計を案じることにする。遠山金四郎、鳥居耀蔵、水野忠邦、後に袂を分かつことになる三人が繰り広げる、好評『三悪人』に続く、悪知恵を絞った化かし合い。
著者等紹介
田牧大和[タマキヤマト]
1966年、東京都生まれ。明星大学人文学部英語英文学科卒。会社に勤務の傍ら、インターネット上で時代小説を発表。2007年「色には出でじ 風に牽牛」(『花合せ』講談社刊)で第2回小説現代長編新人賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
45
面白かった!前作三悪人より、忠邦のお家騒動を絡めたり、金さんの想い人お夕を絡めたり。妖怪とも呼ばれた鳥居耀三が人間くさくて良い味を出している。時代物が得意でない人にも軽く読める良作。彦太の作る料理が美味しそうだ。2013/10/17
藤月はな(灯れ松明の火)
43
浜松藩の殿への内紛と共に巷談として語られる幽霊話。相変わらずの水野忠邦と鳥井耀三、遠山金四郎の騙し合い。己の危機でも取り乱さず、妖艶に微笑み、余裕綽々な水野の凄さに震えます。この人が歴史ではあんなことになるなんてな・・・。そして袂を分った耀三と金四郎が過去を懐かしむのが何とも切ない・・・。醜男だけど頭は切れて相変わらず、女性には初心な耀三が可愛くてきゅんとします^^そして相変わらず、私は良いように転がされてもますます、水野に絶対忠誠を貫く縫殿助が好きです。2013/12/05
ぶんこ
36
半分まで読んで、どうにも合わないと思ったので打ち止め。 出世のためには、家臣や領民が苦しんでも知らんぷりで、自分は贅沢三昧。 策をめぐらしては、誰彼を貶める。 うんざりです。 三悪人も予約待ちでしたがキャンセルします。 田牧さんの黒はパスして、白い作品を読みます。2015/06/29
onasu
33
相変わらず蕎麦屋の2階に寓居する金四郎、寺社奉行から更なる出世を目指す忠邦、不遇をかこつ燿蔵も交えて、ようもまた市井から幕閣まで、小気味いい話しを拵えたもんだ。 前作から2年、金四郎はちょいと小金を作っては糊口を凌いでいたよう。そこに舞い込んだのが、またも浜松のお殿様家中のネタ。 前作でいなくなった料理人、その替わりに小悪党を殿様の元に紹介していたとは、手回しがいい。その彦太、女講釈師の小夜、日本橋両替商の松崎屋を絡めての、命をかけた悪知恵の駆け引き。 真の狙いが、そこにあったとは、一本取られた。2014/12/15
ゆずぽん
23
三悪人続編。雑魚からドンまで色んな悪人が出てきて面白かった。今作は耀蔵がメインで金さんは控えている感じ、でもラストにわかる金さんの企み。悪知恵の駆け引きが、なにより面白い、映像化してもいいんじゃないかなぁ♪2018/02/17