語りえぬものを語る

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  • サイズ B6判/ページ数 483p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062170956
  • NDC分類 104
  • Cコード C0010

出版社内容情報

哲学の魅惑!
「相対主義の言わんとするところはまったく正しい。ただ、それは語られえず、示されている。」
相貎論、懐疑論、ウィトゲンシュタインの転回、過去、隠喩、自由……
スリリングに展開する著者会心の「哲学的風景」

●猫は後悔するか
●世の中に「絶対」は絶対ないのか
●霊魂は(あるいは電子は)実在しうるのか
●相対主義はなぜ語りえないのか
●意味はない、しかし相貎はある
●懐疑論にどう答えればよいのか
●私にしか理解できない言葉
●何が語られたことを真にするのか
●自由という相貎
●科学は世界を語り尽くせない
――本書目次より

野矢 茂樹[ノヤ シゲキ]
著・文・その他

内容説明

相貌論、懐疑論、ウィトゲンシュタインの転回、過去、隠喩、自由…。スリリングに展開する著者会心の「哲学的風景」。

目次

猫は後悔するか
思考不可能なものは考えられないか
世の中に「絶対」は絶対ないのか
真理の相対主義は可能か
霊魂は(あるいは電子は)実在しうるのか
行く手に「第三のドグマ」が立ちはだかる
ドグマなき相対主義へ
相対主義はなぜ語りえないのか
翻訳できないものは理解できないか
翻訳可能でも概念枠は異なりうる〔ほか〕

著者等紹介

野矢茂樹[ノヤシゲキ]
1954年、東京生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学大学院博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻は、哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はるわか

25
3つのタイプの言葉、主体主導型、対象主導型、経験超越型。概念の相対主義。超越的な視点と内在的な視点。翻訳によって理解するということ。翻訳可能であっても概念枠は異なりうる。論理空間は論理的可能性の総体。行為空間を延長したものが論理空間。意味はない、しかし相貌はある。語ることを、語られぬ自然が支える。因果と触発。知覚と相貌。無意識的な知覚。意味と事実。2016/11/20

白義

9
ここ近年の日本では、紛れもなく最高水準の哲学エッセイ。語り得るものを確定し、埋めていきながらその実はその先にある語り得ぬものをなんとか炙り出そうとする、分析哲学の臨界。ヴィトゲンシュタイン、大森、デイヴィドソンなどと格闘しながら、独特の相対主義的世界観の原型を仄めかし、読者を刺激する。圧倒的に読みやすいけど、圧倒的に高水準。人は語り得る世界をどのように編成しているのか、そしてその先にある語り得ぬ世界とは?論理空間と行為空間、相貌など出てくる言葉もまたとにかくカッコいい2012/02/04

ichiro-k

7
「問題自体がナンセンス」だから「語りえぬものがある」と理解していたが、「絶対的な真理はない」のだから「なんでもアリ」ということだろうか?著者の「言葉遊び」が全体を解りにくくしている。一般人の感覚を遠回りに肯定しているだけ。学者のプライド?2011/07/24

void

5
【★★★★☆】論理空間(可能性はあるか)と行為空間(普通にそれを行うか。例えばクワス)の区別。主体主導型(例えば「おいしい」)、経験超越型(「電子」「霊魂」)、対象主導型(「赤」。前者2つと異なり真理の相対主義がなりたたない。∵意味内容が同一でない)の三つに分類した言葉の分析。整理と論の運びは相変わらずわかりやすい。相対主義と論理空間、翻訳可能性などを主として扱った前半が特に面白かった。 18,19章の私的言語論には永井均の批判があって(『哲学の密かな闘い』7章)、関連する 8章321頁に(本文における)2013/11/25

affistar

4
「はじめに」にあるように、最初に本文だけ26章分読み通し、本文を読み直しつつ註を読むという作者がいう理想的な読み方をした。第1章の「猫は後悔するか」は教科書にも取り上げられている(らしい)ので、全部読んでみたいと思ったのでこの本を手に取った。各章は独立しているけれど、続けて読んだ方がもちろん頭にも議論が入ってくるので、時間的にも間を置かずに読んだ方が面白さが増すと思う。しかし、なぜ哲学者は「グルー」だの「クワス」だの変な概念を考えることができるんだろう。それができるのだから哲学者なのかもしれないが。2020/06/20

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