絶望の国の幸福な若者たち

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 304p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062170659
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C1036

出版社内容情報

『希望難民ご一行様』で彗星のように現れた26歳の社会学者が、徹底したフィールドワークで既存の若者論を丸ごと覆す大型論考。格差社会のもと、その「不幸」が報じられる若者たち。
だが統計によれば、20代の75%が現在の生活に「満足」している!
これまでの若者論を覆す現実を前に、本書の立場はシンプルだ。
――悲観論にも感情論にも意味はない。
26歳の社会学者が「幸せ」な若者の正体を徹底的に取材し考える!

同時代を生きることになった人々のこと、僕たちが生きることになった国のことを、この本では考えてきた。それは、別に社会全体に向けられた啓蒙意識からでも、少しでもこの国を良くしたいという市民意識からでもない。ただ、「自分」のこと、「自分のまわり」のことを少しでもまともに知りたかっただけなのだ。(本文より)

「今、ここ」が幸せであればいい――。
W杯の深夜、渋谷で騒ぐ若者たち。ネット右翼の主催するデモに集まる若者たち。そして震災を前に、ボランティアや募金に立ち上がる若者たち。
すべての現場に入り調査を重ねた末に見えてくるものは?
最注目の若き社会学者が満を持して立ち上げる、まったく新しい「若者論」!

オビ寄稿:上野千鶴子(社会学者)、小熊英二(慶應大学教授)。
巻末「補章」:佐藤健(俳優)との1万字オーバーの対話を収録。

第一章 「若者」の誕生と終焉
第二章 ムラムラする若者たち
第三章 崩壊する「日本」?
第四章 「日本」のために立ち上がる若者たち
第五章 東日本大震災と「想定内」の若者たち
第六章 絶望の国の幸福な若者たち
補章 佐藤健(22歳、埼玉県)との対話


古市 憲寿[フルイチ ノリトシ]
著・文・その他

内容説明

格差社会のもと、その「不幸」が報じられる若者たち。だが、二〇一〇年の時点で二〇代男子の六五・九%、二〇代女子の七五・二%が現在の生活に「満足」している!これまでの若者論を覆す、「幸せ」を感じている若者の正体を徹底的に取材した最注目の若き社会学者が満を持して立ち上げる、まったく新しい「若者論」。佐藤健(俳優)との特別対談も収録。

目次

第1章 「若者」の誕生と終焉
第2章 ムラムラする若者たち
第3章 崩壊する「日本」?
第4章 「日本」のために立ち上がる若者たち
第5章 東日本大震災と「想定内」の若者たち
第6章 絶望の国の幸福な若者たち
補章 佐藤健(二二歳、埼玉県)との対話

著者等紹介

古市憲寿[フルイチノリトシ]
1985年東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍。慶應義塾大学SFC研究所訪問研究員(上席)。有限会社ゼント執行役。専攻は社会学。大学院で若者とコミュニティについての研究を進めるかたわら、有限会社ゼントでマーケティング、IT戦略立案等に関わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 4件/全4件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

448
出版当時(2011年)は、弱冠26歳の新進気鋭の社会学者による日本社会論。既存の資料によりながらも、それを独自の視点から(もっとも、それはまた本来は常識的な視点であるのかも知れないが)読み解いてゆく力量はなかなかのもの。結論からすれば、それ(現代の日本と、若者たち)はあたかもSF小説が描くディストピアのごとき観を呈している。すなわち、日本の未来は中国なみの階級社会なのである。「一部の『一級市民』が国や企業の意思決定に奔走する一方で、多くの『二級市民』はのほほんとその日暮らしを送る」といった。本書が警鐘⇒2018/11/24

mitei

272
著者がこの本で一気に人気が出てたように思うが、本書の効果は社会的にはこれまで若者をサルとか馬鹿呼ばわりしていた言説が消えたというのも後から見ると思う。昔から今まで若者に対しては都合よく自分たちのイメージで解釈されてきたのだと思うが、これからは若者を区別する仕切りがないというのは確かにそうだな。 絶対的な貧困はそこにないし、あるとすれば年寄りの金持ちと比べて相対的に貧しいレベル。 この中で危機感というのは本書が世に出て10年近く経っても変わらないと思った。今でも面白く読めた。2021/08/16

扉のこちら側

118
初読。2014年192冊め。著者は一学年上になるのだが、同世代が小説家としてではなく学者として本を出すような年代になったのだなと、自分の年を痛感。私の世界は職場と図書館と読書がほぼ全てで 、本書の通り小さな世界でそれなりに幸せに生きている。もしもこの国で戦争が始まったら私はどうするのだろう。2014/03/16

harass

81
文庫版を読みたかったが見当たらずこの単行本版を借りる。若者とされる著者が戦前からの日本の若者論、世代論からを総ざらいしおかしな所にツッコミを入れまくる。『「最近の若いものは……」と古代の遺跡に書かれていた』というのは都市伝説だそうだ。そして、現代日本の社会変化で割を食うはずの若者たちは今の状況に満足しているという(アンケートから)、奇妙な現状を考察。正直散漫としているのだが読み物としてなかなか楽しめた。著者はまだ博士号を取っていないようであるが、着実に文化人タレントとしてキャリアを積んでいくのだろう。2017/11/17

団塊シニア

71
筆者は冷めた目であるが若者の代弁者の感じはする。団塊の世代に対しては厳しく、若者に席を与えるような社会、そして国が少子化対策に本気で取り組むことを提言してる。ただ20代の若者の満足感は高いが30年後は厳しいと発言してる。社会保障についても持論をもっており、古市氏のような若者がメデイアに出ることは歓迎すべきことと思います。2012/05/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4039686
  • ご注意事項