部屋

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  • サイズ B6判/ページ数 492p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062170093
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

極限状況を生きる人間の気高さと勇気を謳うぼくはママと住んでいる。知っているのはこの部屋とテレビの世界だけ。なぜならぼくはこの部屋で生まれて一度も外に出たことがないから。驚くべきその理由とは?

内容説明

今日はジャックの5歳の誕生日。ジャックはママと部屋に住んでいます。鍵付きのドアに天窓のある部屋。テレビを見るのが大好きで、アニメの主人公が友だちです。でもジャックは知っています。テレビに映るモノはホントのことではないことを。自分とママと部屋だけがホントのことです―ママが外の世界があることを教えてくれるまでは。誘拐され、監禁された少女に、子供ができてしまったら…。極限状況を生き抜こうとする人間の勇気と気高さ。

著者等紹介

ドナヒュー,エマ[ドナヒュー,エマ][Donoghue,Emma]
1969年ダブリン生まれ。著作は現代小説、歴史小説(ベストセラー“Slammerkin”を含む)、文学史、舞台やラジオや映画の脚本など多岐にわたる。カナダ・オンタリオ州ロンドンに在住

土屋京子[ツチヤキョウコ]
愛知県生まれ、東京大学教養学部を卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひめありす@灯れ松明の火

86
ここはジャックにとっては世界の全て。だけど世界にとってここは存在しない場所。丁度ママのお腹の中の様に。靴下からスリッパへ、履きにくい靴からマジックテープの靴へ。履物に足を入れる度ジャックの世界は開かれていく。階段を上って階段を下りて。部屋の中には存在しない上下運動をする度にジャックは世界に閉じ込められていく。no where。ママは何処に居ても薬を手放せない。名前のないママから逃がれられない。now here。母と子はここにいる。片手に鳥籠を、片手に鍵を持って。good-byeそしてhello,world2016/07/13

さら

31
目次が子どもの筆跡であること、ひらがなの多さ等、この物語が子どもの目線から語られるのだということが窺えました。監禁事件は日本でも、またよその国でも実際におこった事です。痛ましく思いながら読み始めたのですが、語りがジャックいとう5才になったばかりの男の子だからか深刻さが無く、むしろママと二人の生活を「普通」に楽しく送っている様子でした。読み手が「異常」に気づくのはテレビのこと。ジャックはテレビの中のことは現実ではないと思っていて、ジャックにとっては「部屋」の中にしか現実がないのです。 → 続2013/02/12

ruki5894

26
一つの世界から別の世界へ。言い換えれば別の地獄へ。でも、大丈夫。きっと乗り越えられる。生きる力に希望を感じて心からエールを送る。映画も観たい。2016/02/05

24
五歳の男の子によって語られる物語。最後の最後まで、ちょっと期待はずれかなぁ~といった気持ちで読んでいたのだが、なぜか読み終わると胸にくるものがあった。訳者さんのあとがきを読んで、さらにジャックが愛しく感じ、なんだかしばらく気持ちを引きずりそう。2012/06/22

えみ

22
映画がとにかく泣けて泣けてしょうがなかったので原作も手に取った。五歳児目線の文体が分かりづらくもあったが、外の世界を知らないジャックだからこそ、その閉ざされた日常を明るく淡々と語るところに、事態の異常さが際立つ。極限下での出産と育児…そうするしかなかったのか?と脱出後にマスコミから問われ壊れていく母親の苦しみが胸に刺さる。映画はかなりの緊迫感、そちらもおススメ。2016/05/11

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